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  3. 第35回 カーテンの活用と選び方

わんだふるな住まいの知識

ペットと暮らす住まいのポイントをケーススタディでご紹介します。

no.35

犬や猫と快適に暮らすためのインテリア

カーテンの活用と選び方

そよぐ風や暖かな日が差し込む窓辺は、犬や猫にも気持のよい素敵な場所。しかし、窓は外部との接点であり、騒音や強い日差しなどの刺激も入ってくるといった危険もあります。そういった不快な刺激をやわらげてくれる心強いアイテムがカーテン。厚地のカーテンは不快な外部の音を遮断し、レースカーテンは室内に入ってくる直射日光をやわらかくしてくれます。

カーテンの素材選びのポイント

ただ、カーテンの素材やデザインによっては、犬猫にいたずらを誘発してしまうという、難しいアイテムです。たとえば、風でカーテンが揺れていると、犬や猫にとっては誘われているようにも感じてしまうのです。遊び盛りならその揺れるカーテンに突進してきます。それをきっかけにカーテンにじゃれついたり、登ったり。それを「面白い遊び」と覚えてしまうと、やめさせるのはかなり難しくなります。猫がよじ登ってボロボロにしてしまう、というのはよく聞く窓周りのトラブルです。

揺れるカーテンに怯える子も

また、この揺れるカーテンに喜ぶのではなく、怯えてしまうタイプも少なくありません。ヒラヒラとした不規則な動きに、何かいるのでは?と驚き怖がるというものです。犬ならば吠えてしまいます。それが繰り返しているうちに、吠えやすい性格につながってしまうのです。

カーテンの形状や素材を、できるだけイタズラを誘発しにくいものにしておきましょう。風で揺れてヒラつきの少ないカーテンスタイルには、ロールスクリーンやシェードといったものがあります。

厚みと重さのあるカーテンがおすすめ

なお、素材は厚みがあり、重さがあるものが望ましいです。軽すぎて風にそよぎやすくなるのを防ぐためです。ドレープカーテンの形状とするなら、この素材とする事が大変重要です。厚みのあるものを選ぼうとすると、編込みがざっくりした素材が多いので、爪が引っ掛かりやすいので猫のためにはより慎重に選びましょう。ザックリした素材だと爪の引っ掛かりができてしまいます。よじ登りやすくなるので、猫なら勝手にアスレチック替わりにしてしまいます。厚みがあっても表面がスルッとした滑らかなものは、こういった誘惑が少なく、また、掃除機で表面についた毛などを吸い取る日頃のメンテナンスもやりやすくお勧めです。

カーテンは壁面の大きな割合をしめるため、インテリアの印象を大きく左右します。気持のよい生活のための大切なポイントです。

profile

金巻先生(一級建築士)

一級建築士・博士(工学)・家庭動物住環境研究家一級建築士事務所 かねまき・こくぼ空間工房 主宰。

犬や猫といった家庭動物(ペット)との暮らしをテーマにした建築設計と、環境コーディネーターとして活動。適正飼養と環境整備に向けた学術研究も進めている。著書に『犬・猫の気持ちで住まいの工夫』(彰国社)、『ねこと暮らす家づくり』(ワニブックス)、など。ペット防災のNPO法人ANICE理事。東京都動物愛護推進員。H25年度日本建築仕上学会学会賞(技術賞)「ペット共棲住空間用の建材に関する研究と技術開発」

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