carpet
- 東リファブリックフロア
- 犬や猫は、フローリングで滑ってケガをする恐れも…クッション性が高くてズレにくいタイルカーペットは足への負担を軽減し、ペット臭をやわらげる機能の商品もあります。
ペットと暮らす住まいのポイントを
ケーススタディでご紹介します。no.36
犬や猫と快適に暮らすためのインテリア
来客などで家の中が普段と違う空気に包まれる時、犬や猫もその気配に反応します。興奮してちょっとウロウロしたり、猫などはどこかに隠れてしまって出てこないというものもよくあることです。
犬や猫に安全な「引きこもりスペース」が必要であることを、「和室に入りたがる犬や猫の行動について」でお話しました。私達人間はもちろん、犬や猫達も環境に違和感を感じた時、もぐり込むような狭い場所にいると安心できるからです。この誰からもちょっかいをかけられないような狭い場所で、ゆっくり気持を落ち着かせ、状況を判断したりなど心の準備ができるというわけです。「隠れ家」というともう少しわかりやすいかもしれません。犬や猫達には寝場所が主な隠れ家になります。
お家の中での家族の共有スペースとなるリビングにも、寝床以外のミニ「隠れ家」を確保してあげると、もっと喜ばれます。
来客の相手をしていると怖がって隠れていたのに、いつの間にかイスや家具の影から犬家猫達が様子をうかがっている、というのは珍しくありません。また、見知らぬ(不審な)来客が怖くてしかたないのに、ビクビクしながらも飼主さんの座っているイスの下にもぐりこみ、その場に同席しようとするコもいますね。こういった「ちょっぴり怖いけど、気になるから見ていたい」と観察する気持は、私達にも理解できる感覚ではないでしょうか。体の小さな犬や猫たちには、リビングの中のソファーやイスの下であっても、守ってくれる飼主さんに守られているような形になっていれば、安全な「隠れ家」になるわけです。
ある来客の多いお宅で、収納の機能があるスツール(腰掛け)の一部を、犬と猫用の来客時用の「隠れ席」となるように造ってみました。飼主さんの座る席下に、クッションを敷きこんだハウスのようにしたものです。飼主さんが腰掛けると、自然と犬も猫もそのスペースに入るようになり、普段から一緒に寛ぐようになりました。来客時の避難用のつもりでしたが、普段使いにも最適だったようです。
犬や猫がもぐり込めるスペースのあるソファーを造るとなると大がかりですが、簡易な方法もあります。飼主さんが寛ぐ席のすぐ横や足もとに、もぐり込める箱を置いておくことでも「飼主の足元の守られた隠れ家」という環境には変わりありません。市販でも、一見オットマンに見えるような「人も腰掛けられるハウス」がありますので、インテリアに合わせて取り入れてあげるとよいでしょう。
profile
金巻先生(一級建築士)
一級建築士・博士(工学)・家庭動物住環境研究家一級建築士事務所 かねまき・こくぼ空間工房 主宰。
犬や猫といった家庭動物(ペット)との暮らしをテーマにした建築設計と、環境コーディネーターとして活動。適正飼養と環境整備に向けた学術研究も進めている。
著書に『犬・猫の気持ちで住まいの工夫』(彰国社)、『ねこと暮らす家づくり』(ワニブックス)、など。 ペット防災のNPO法人ANICE理事。東京都動物愛護推進員。 H25年度日本建築仕上学会学会賞(技術賞)「ペット共棲住空間用の建材に関する研究と技術開発」
「猫と暮らす住まいのつくり方」
ライフスタイルやプランに応じた住まいの実例が豊富!猫にとっての快適ポイントや危険対策がわかる!業者選び、内装材、予算などのお役立ち情報も!
「犬・猫の気持ちで住まいの工夫」増補改訂版
単なるペットのトラブル対策に終わらないしつけやトレーニングも踏まえながらのアドバイスが満載。
かわいいイラストも◎。 改訂版では、室内環境の意識が高まっている猫の情報と、東日本大震災で課題がみえたペット防災対策が増えました。彰国社刊 定価(本体 1,800円+税)
「ねこと暮らす家づくり」
猫の「あったらいいニャ~」に応えるための、賃貸やマンションでもチャレンジできる工夫を案内しています。
ワニブックス刊 定価(本体 1,300円+税)