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  3. 第11回 住まいの光環境に十分な配慮を~室内飼育の場合~

わんだふるな住まいの知識

ペットと暮らす住まいのポイントをケーススタディでご紹介します。

no.11

犬や猫と共に暮らすためのアイデア

住まいの光環境に十分な配慮を~室内飼育の場合~

日中は明るく夜は暗くなるといった光環境は、生き物が体内リズムを整えるために大変重要です。これは犬や猫たちにとっても同じこと。日光に当たることによって体内リズムを整えています。しかし屋外で飼われているのと室内で飼われているのでは、光環境に大きな違いが出てしまいます。今回は室内飼育の場合の光環境の問題と、その対策についてご紹介します。

1.自然光に当たることが少なく、体調を崩しやすい

室内飼育の場合、犬や猫たちはどうしても室内で過ごす時間が長くなり、日光に当たる時間も少なくなります。こうしたメリハリのない明かりの環境は、老犬になると体内リズムも狂いやすくなり、寝付けないなどの体調を崩してしまうことがあるのです。

2.十分な運動、日光浴が大切

これを防ぐためには、朝晩のお散歩でよく運動と日光浴をすること。心地よく疲労することができて、夜はゆっくりと休むことができます。ただ心配なのは、室内に居ることが多く、あまり運動をしなくなった老犬や老猫。彼らのためには、快適な睡眠環境を整えてあげる必要があります。

3.快適な睡眠環境のために、照明に工夫を

まず、寝る少し前から無駄に光を当てない配慮を。犬の場合は特にリビングにハウスを置いてあることが多いのですが、リビングは家の中でも長く照明が点いている場所。照明を少しアレンジしてあげたいものです。

昼間や作業時には、活動的になる白く明るい状態にしておいても、夜間は電球色と呼ばれる赤味のある色で、くつろげる照明にしてあげてください。また天井のシーリングライトだけでなく、壁を照らすウォールライトやテーブルライトと組み合わせる複数照明にすると、明るさの調整がしやくなります。複数照明への配線増強が難しいという場合は、天井のシーリングライトだけで色温度をブレンドし調整できる、調光照明というものもあります。ぜひ検討してみてください。

ウォールライトやテーブルライトを組み合わせる複数照明
天井のシーリングライトのみで色温度を調節する調光照明

profile

金巻先生(一級建築士)

一級建築士・博士(工学)・家庭動物住環境研究家一級建築士事務所 かねまき・こくぼ空間工房 主宰。

犬や猫といった家庭動物(ペット)との暮らしをテーマにした建築設計と、環境コーディネーターとして活動。適正飼養と環境整備に向けた学術研究も進めている。著書に『犬・猫の気持ちで住まいの工夫』(彰国社)、『ねこと暮らす家づくり』(ワニブックス)、など。ペット防災のNPO法人ANICE理事。東京都動物愛護推進員。H25年度日本建築仕上学会学会賞(技術賞)「ペット共棲住空間用の建材に関する研究と技術開発」

  • 「猫と暮らす住まいのつくり方」

    ライフスタイルやプランに応じた住まいの実例が豊富!猫にとっての快適ポイントや危険対策がわかる!業者選び、内装材、予算などのお役立ち情報も!

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