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にゃるほど犬猫塾

犬や猫たちの暮らしやしつけ、健康などについてご紹介します。

no.80

犬や猫と暮らすということ

野生動物はペットではありません

家族として強い心の絆で結ばれた伴侶動物たち

私たちと家族として共に長い歴史を暮らし続けてきた、犬と猫を中心とする動物たちは伴侶動物(家族)として人類にとってかけがいのない存在です。共に暮らし続けたからこそ、その習性や行動が明確になり、人と同じように、あらゆる感染症への対応も確立しています。また家族としてふさわしいしつけも、陽性強化法(ほめてしつける)で教育され、飼い主家族との心の絆も一層強く結ばれています。

伴侶動物について詳しくは第37回「コンパニオンアニマル=伴侶動物」でお話していますが、今回も簡単に下記に図示してみます。

家族として共に暮らして良い動物たち

野生動物や外来種の悲劇を生まないために

さて近年、本来日本には生息しない外来種の動物を求めてペットにしている方々も増えています。小さい頃から育て共に暮らしていれば、その方にとっては可愛い存在かもしれませんが、イグアナや大型の蛇、カメなどは個人宅では飼育不可能なほどに成長します。

その結果、近くの池や川、山に放棄され野生化して問題を大きくしています。その一例が、本来、北米原野に住むアライグマです。日本でペットとして飼育され、捨てられたり逃げたりしてすでに全国的に繁殖し、天敵もいない環境で、雑食性であるため農作物被害や民家への侵入が深刻化し、害獣として特定外来生物に指定されています。人間の身勝手で本来の生息地から連れて来られ、捨てられ、繁殖し、生きるために食べ、駆除されるなどは悲劇です。また、ペットとして飼育していた大型の野生動物が逃げ出し、地域の住民に恐怖を与えたり、逃げ出した野生動物が本来の生息環境と異なる中で命を落としたりするなどの悲劇を生まないために、野生動物や外来種は、家族として決して幸せには出来ないことを理解して、ご協力いただけることをお願い致します。

profile

柴内裕子先生(獣医師)

赤坂動物病院 名誉院長

日頃より伴侶動物医療に携る一方で、社会活動コンパニオンアニマルパートナーシッププログラム(CAPP)のリーダーとして高齢者や障害者の各種施設や病院、小学校などを動物たちと共に訪問するボランティア活動に幅広く活躍されています。(柴内先生には、東リ「犬家猫館」の製品開発の際にもさまざまなアドバイスをいただいております)