TOP > 海外情報 フィンランドフォーラム > フィンランドの建築と生活環境
フィンランドの建築と生活環境について
2019.9.19 / ソニー・ナカイ(グラフィックデザイナー、在フィンランド)
いつでも森を散歩できることは、居住環境の重要な条件となっています。人口の少ないフィンランドだからこそ、都市計画の一部に必ず、自然環境を組み込めるのです。
フィンランドにいると、人口の少ないことは必ずしも経済的なデメリットではありません。反対に、別な意味でのメリットを感じます。 所得は日本とほぼ同額でも、家の広さは2倍あります。庭も広いのでストレスを最小限にする生活を楽しんでいます。
フィンランドでは、DIYでコテージだけでなく、普段の家を建てることも珍しくありません。夫婦で将来の生活空間を一緒に考える時間を共有し、家族の関係を深めます。自力で家を建てる夫は、家族を守る主導者としての自己実現から、自信と生きがいを得ていくでしょう。長い夏休み期間や休暇があり、材料も施工も自前で揃えることができます。もちろん男女に差はありません。写真は、欧州アカマツの林を背に建てた娘夫婦の自宅です。
撮影したのは7月初旬の夜9時頃。サウナから湖水へ飛び込む桟橋です。この後、午後10過ぎまで、夕日の残影を楽しみました。森の奥まで光が注ぎこみ、白夜の神秘の時間を味わいながら。
アルパカは南米の高山地帯原産の動物ですが、おとなしくて世界中で愛されています。丁度1時間前に生まれたばかりのベビーアルパカも夏の太陽を楽しんでいました。そこへ、観光客のカメラが近づいてきた時、傍らの母親が赤ちゃんをかばう様に近づいてきました。
この村に本拠を構えるアパレルメーカーが、その毛織製品を作って、販売しています。田舎風の家をブティック風にして、白、ベージュ、黒色のナチュラルカラーで上品なデザインのウェアでした。
(写真左)海岸沿いのレストランでは、この村でしか飲めないビールを味わってみましょう。ボトルの影の長さをみてください。白夜の象徴です。
(写真右)レストランのアウトドアデッキに飾られた空飛ぶ鳥のおもちゃは、柔軟な釣り棹用ロッドの先に結ばれて、風に吹かれ飛びまわります。すっかり本物と間違えるほどの飛び方に驚かされました。
(写真左)旧地主の豪邸はカフェに変貌。大きな庭に面してクラシックな暖炉があります。美味しいパンやスイーツ、そして新鮮な卵など健康食品も販売しているので、サマーハウスに滞在する家族達に人気のスポットです。
(写真右)海辺に立つポールは、夏至祭のシンボルです。フィンランド国内では4%だけの少数民族であるスウェーデン系の人達の伝統であり、夏至祭の唄を歌いながら手をつないで、周囲を回ります。
湖畔や海辺の環境は、町中で人気のスポットで、白鳥も頻繁に訪れてきます。白鳥とカラスの対話が聞こえてくるようですね。
10年ほど前から始まったフィンランドの高層建築住宅群は、首都ヘルシンキのブオサーリが発信地で、同じ高さの高層住宅建築とすることが都市計画に定められています。そして近頃の建築ブームの波に乗り、現在、ヘルシンキに複数の高層建築群プロジェクトが進行しています。
子供用プールサイズのバスタブから、タワーマンションを眺められます。