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美術館と図書館に見る北欧社会
2019.3.15 / ソニー・ナカイ(グラフィックデザイナー、在フィンランド)
さらに驚いた出来事は、2018年秋のオープンからの半年間に、日本のTeam Labのアート展示が大ヒットしたことです。特に子供たちには大ウケでした。昆虫や動物の線描画に自分で好きな色を塗ると、それがスキャンされて、トカゲ、蝶、亀など、子供達の「塗り絵」が、展示スペース内を一斉に動きまわります。壁から屋根まで、境目なく動くアートが映写されると、自分で描いた動物を探してあてて、興奮します。昆虫たちが動き回る森の世界は、冒険心に満ちた幻想世界となり、最高の体験でしょう。
子供達が楽しく遊べて、大人向けの宇宙的感覚世界もあり、年代や趣向に合わせて観賞できる参加型コンセプトは、建築デザインとあわせて大人気の要因でした。オープンしてから半年以上続いた展示期間中は、平日でも数時間待ちの列が続いていました。展示期間の終盤になって、待ち時間解消のために予約制になったと聞きました。もう見られないと思うと、少し淋しさを感じます。ともあれ、まもなく新しい展示が始まります。ご期待ください。
また、フィンランドは「新しいことを取り入れる社会づくり」に熱心な国であり、投資を惜しまないと感じています。公共施設やシステムに大きな社会投資を行いながら、そのシステムも頻繁に変わるので、「変わりすぎ?」と感じるほどです。電車の切符自販機の合理化を進めていますが、三年くらいでシステム全体まで変わっています。トイレでさえ、男女別の間仕切り壁を撤廃、手洗い場を共同化するなど、こちらが戸惑ってしまうようなことも、よくあります。
今日では、日常生活の支払いはほとんどカード決済で、紙幣も硬貨もほぼ不要です。現金お断りのレストランも登場するほど、変化のスピードは速く、銀行での小切手交換は通用しない時代になりつつあります。完全なキャッシュレス社会を目指しているのです。フィンランドへの旅にはカードをお忘れなく。