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ムーミンは物語を愛するみなさんの心の中に!

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2018.12.6 / ソニー・ナカイ(グラフィックデザイナー、在フィンランド)

ムーミン・ミュージアムへ

ヘルシンキから200km北方のタンペレ市に、昨年6月「ムーミンー・ミュージアム」が新規オープンしました。ヘルシンキ中央駅からは急行で1時間半の気軽な旅です。タンペレ駅から近いタンペレコンサート・ホールへ向かい、ミュージアムはその中にあります。建物の前には公園が広がり、四季の草花と樹木に囲まれています。

以前もご紹介したタンペレ駅前の高層ホテルを目印に歩いていくと、タンペレ・ホールに到着。その中で、ムーミンミュージアムが皆様のお越しをお待ちしています。

以前もご紹介したタンペレ駅前の高層ホテルを目印に歩いていくと、タンペレ・ホールに到着。その中で、ムーミンミュージアムが皆様のお越しをお待ちしています。

(写真左)ミュージアム内での撮影は禁止なので、外観の写真をご覧ください。(写真右)右側はミュージアムグッズ。2mmの薄板に印刷されたムーミンの絵はがきです。

(写真左)ミュージアム内での撮影は禁止なので、外観の写真をご覧ください。
(写真右)右側はミュージアムグッズ。2mmの薄板に印刷されたムーミンの絵はがきです。

この日はエントランスにムーミン家族の椅子が展示されていました。大きい椅子は、ムーミンパパ専用で、他の家族は座りません。小さな2脚は、ムーミンとガールフレンドのスノークちゃんの椅子です。

この日はエントランスにムーミン家族の椅子が展示されていました。大きい椅子は、ムーミンパパ専用で、他の家族は座りません。小さな2脚は、ムーミンとガールフレンドのスノークちゃんの椅子です。

ムーミンの登場人物(?)(詳しくは公式ページをご覧ください。画像も掲載されています)

ムーミン谷に住むムーミン家族とその仲間の個性的な登場人物(?)がいっぱいです。キャラクター占いというのもあるほどで、みな、マグカップの絵柄になって販売されています。貴方の性格は、誰に似ていると思いますか。少しご紹介しましょう。

ムーミンパパ (黒いシルクハットとパイプ、手にはステッキという姿)

彼自身は、赤ん坊の時に、ムーミン谷の孤児ホームで育ちました。なかなかつらい幼少期を送ったようです。ある日そこを抜け出して、冒険に生きる自由な生活を始め、スナフキンやスニフのお父さんたちとも、その頃に知り合いました。ムーミン谷に落ち着いた今でも、冒険心がさわぎだすとふらりと家出もします。夢とロマンを感じているのはそういうわけなのでしょう。

ムーミンママ(赤白の縞柄でマリメッコ風なエプロンと黒いハンドバッグ)

ムーミン屋敷をみんなに開放し、訪れる者をわけへだてなく温かくもてなす、まさに「みんなのママ」。世話好きでいつも人のために動き回っているやさしいママのハンドバッグには、必要なものが何でも入っています。家の中の細々した仕事も、花壇造りも、そしてピクニックも大好き。海辺で拾った貝殻を花壇の周りにぐるりと並べて花を楽しみ、野菜も育てます。毎年夏には、おもちゃの帆船をムーミンに作ってあげます。

スノークのおじょうさん(ふわふわした毛皮と前髪、左足にゴールドアンクレット)

可愛らしい前髪がチャームポイント。自分の愛らしさをじゅうぶん知っていて、かわいいものやきれいなものが大好き。そのせいで時々失敗もしますが、やさしく愛情にあふれた女の子です。
いつもムーミン一家と一緒にいますが、本当の家族はどこにいるのでしょう?ちょっと堅物の兄がいますが、両親は原作にもでてきません。彼女自身はムーミン一家の娘のつもりでいるようです。ムーミンが初めて彼女に会った時に、その前髪にまいってしまったというエピソードもあるぐらい、前髪は彼女の自慢です。二人は種族が異なり、ムーミンはムーミン族、彼女はスノーク族。同じように見えても、前髪で区別がつきます。この自慢の前髪が、一度ニョロニョロに感電してこげたことがありました!

ちびのミイ(裁縫用の小さいかごにすっぽりとはいるほど小さい女の子。ミムラ姉さんの妹)

髪を頭のてっぺんでたまねぎ型にキリリと結い上げています。こわいもの知らずで、誰にでも思ったことをズバズバと言いますね。普段はムーミン屋敷に住んでいますが、一人でいるのも好きなので勝手きままにあちこちで寝起きしているし、怒るとかみつくこともあります。

こんな風に、ムーミンの世界で動き回る個性豊かな登場人物(?)には驚かされます。その中には、人間社会を象徴するキャラクターが登場します。少し陰険で意地悪そうなやつ、でも心の中はムーミンと一緒に友達になりたい、いじめっ子の心が描かれています。機嫌の悪いキャラクターもいるし、良く失敗するキャラクターもいて、ムーミンの世界が広がっているようです。

スティンキー

スティンキーはムーミンたちを目のかたきにしています。いつもちょっかいを出し、罠にはめる機会をうかがっていますが、本当は仲良くしたいのかも?

モラン

彼女が歩いた跡は凍てつき、座った場所には草花も生えない場所になるという、孤独で冷たくて大きな魔物。でも、灯や焚火など、人が集まる暖かいところへ近づきたがります。みんなに恐れられているのですが、その心のさびしさをムーミンやミイはわかっているのです。

ご先祖さま

おせっかいやきのムーミン族のご先祖さまたちも登場します。毛むくじゃらで、水浴び小屋の戸棚に隠れ住んでいたところを、ムーミンに見つかって飛び出しました。それ以降は、ムーミン屋敷の中に移り住み、勝手に屋敷内の模様替えをすることだってあります。

スナフキン(緑色のつば広帽子と古いコート、黄色のマフラー、超ミニマリスト)

ムーミントロールの親友スナフキンは、自由と孤独を愛する放浪者です。人間っぽい風貌ですが、ムムリク族という種族に属します。物が増えることを極端に嫌がり、必要最低限ものしか持っていません。普段はムーミン谷の川のほとりでテント住まいですが、ムーミンたちが冬眠する季節には、南の方へ旅に出かけ、春になるとまたムーミン谷に戻ってきます。冷静沈着で知識が豊富なので、ムーミン谷では憧れの的な存在です。
一見、人づきあいが嫌いとみえますが、ただ単に1人が好きなだけ。そんなスナフキンも、ムーミン一家といるのはとても居心地が良いのです。

絵葉書と切手にも!

絵葉書と切手にも!

このようにムーミンの歴史からその原画を見ていくと、おなじみのアニメ作品に見られるような子供向けの画法ではなく、その表現法から、鋭くて厳しい自然の中で生きるムーミンの姿に気が付きます。是非、オリジナルのムーミンワールドに触れてみてください。

病院建築にも

実は、最近新築された小児科専門の病院のインテリアでもムーミンが活躍しています。5年程前の計画時には、自己資金と国庫補助では資金不足で、一般の寄付を募りました。やっと資金が集まり、昨今の建築ブームの波に乗って完成にこぎつけ、設計者のAntti-Matti Siikala(SARC)はフィンランドの名誉ある建築賞を受賞しました。AMOS REX美術館から継続して、この小児科病院でも話題になっています。

小児科病院のカラフルな外観。

小児科病院のカラフルな外観。

インテリアの壁面にムーミンのテーマが使われており、楽しいムーミン世界を連想させてくれます。小児科病院ですからね。待合室にあるデジタルアクエリアムも子供達たち注目の的です。

インテリアの壁面にムーミンのテーマが使われており、楽しいムーミン世界を連想させてくれます。小児科病院ですからね。待合室にあるデジタルアクエリアムも子供達たち注目の的です。