TOP > カーテン > レースで夏の節電はじめてみませんか > 遮熱糸レース(カーテン)Q&A
東リでは「遮熱カーテン」に関するご質問をQ&Aにまとめました。 Answerについては当社独自の考え方や少し難しい用語も含まれますが、実際にお寄せ頂いたお問い合わせと当社の回答(考え方)という内容になっていますので、ぜひご一読ください。
カーテンの「遮熱」機能には「防炎」や「ウォッシャブル」のように統一された試験方法や判定基準はありません。
表示はすべて各社それぞれの考え方や基準によるものです。
東リでは「赤外線を通しにくい特殊ポリエステル繊維を使用し、室内に差し込む日射(赤外線量)を通常品と比べて減少させるレースカーテン(だだし、採光性については通常品との差が特にないこと)」と定めています。
消防服や耐熱布で使用されているような熱そのものを通しにくい生地、あるいは燃えにくい生地ではありません。
もともとは長時間にわたって炎天下にさらされるゴルフやテニスなどのスポーツウェア用に開発された繊維です。 構造的には、ポリエステル繊維に練り込まれたセラミック微粒子(金属酸化物)が赤外線(太陽の熱)を反射するというものです。「防炎」性能を求められることも多いカーテン用として難燃性の遮熱糸も開発され、帝人ファイバー(株)の『涼しや®』やユニチカトレーディング(株)のサラクールなどファイバーメーカー各社から発売されています。
詳しい構造などは各社のホームページ等で紹介されていますのでご覧になってみてください。
東リでは「遮熱ドレープ」のご提案はしておりません。
カーテンは窓を装飾するインテリアファブリックスです。したがって、窓辺に吊り下げられた状態で効果がなければ意味がありませんので、東リでは実際の生活環境に近い条件下で独自試験を実施しています。
東リでは「遮熱ドレープ」のご提案はしていませんが、ドレープ生地の遮熱性能試験も実施しています。
試験(1)、(2)ともに遮熱機能を期待したドレープには若干の効果は認められるものの、遮熱糸レースと一般レースのような明確な差はありませんでした。
試験をするまでもなかったかもしれません。というのも、ドレープ生地は特殊な加工をしたり特殊な糸を使わなくても遮光率90%以上、つまり日射の9割をカットしてしまうのです。遮光2級品なら遮光率99.80%以上ですので、ほとんど光を通さないということになります。これは「反射によって赤外線量を減らす」とは次元の異なる話です。 また、ドレープカーテンを閉じてしまうとお部屋は暗くなります。遮光品、特に裏面コーティング品は「完全遮光」といわれるような商品ですのでお部屋は真っ暗になってしまいます。これで照明を全灯したのでは節電にはなりませんね。
裏話になりますが、試験(1)の「裏面特殊コーティング品」とはKTB5358・5359のことです。当初は「遮熱ドレープ」として見本帳に掲載する予定でしたが、試験結果と採光性(お部屋の明るさ)について検討した結果、“遮熱”とは表記せず、通常の裏面コーティング品とすることにしました。また、試験(2)の「遮熱糸使用品」とはエココード(TKY7196)を遮熱糸仕様にした試作品です。遮熱糸分のコストアップとなりますが、その分の効果が認められないため採用とはなりませんでした。
赤外線量の影響に限っていえば、理論上は“逆効果”になります。
しかし、「夏用のレースカーテンと冬用のレースカーテンを使い分けたほうが良い」というほど、冬の“逆効果”を心配する必要はないようです。(使い分けが一般的になれば市場も広がるのですが)
というのも、冬は夏に比べて日射量が少なく(▲45%)、日照時間も短い(▲32%)ため、冬の“逆効果”は夏の効果に比べてかなり小さくなるからです。また、冬の朝は起きたらまず暖房をつけるというご家庭も多いのではないでしょうか。お布団にもぐったまま暖房のリモコンのスイッチを押す方もいらっしゃるかもしれません。冬場は暖房をつけずに太陽の光だけでお部屋を暖めることは難しいでしょう。
冬の節電のポイントは「いかに太陽光をお部屋に取り込むか」ではなく「お部屋の暖気を外に逃がさない」ことです。冬場は屋内の熱の48%が窓などの開放部から逃げていきます。
カーテンをすることで暖められたお部屋の空気が冷たい窓ガラスに直接ふれることがなくなります。また、窓ガラスとカーテンの間の空気の滞留層はお部屋の熱の損失を軽減する効果があります。
お部屋全体のことを考えれば、カーテンを開け放して太陽の光を取り込むよりも、カーテンを閉めてお部屋の暖かい空気をなるべく冷やさないようにするのが冬の節電には効果的なのです。
日射熱取得率、熱貫流率とはガラスやサッシの断熱性能をみる数値です。ガラスに貼る遮熱フィルムなどもこの数値で改善効果を表記することが多いようです。
カーテンは窓辺を美しく装う装飾品であり、建築資材や断熱材ではありませんので日射熱取得率、熱貫流率などは測定していません。仮に、生地の熱貫流率を測定した(できた)としても、カーテンにしたときのヒダ倍率やスタイルによってその数値は大きく変動してしまうでしょう。
レースカーテンの存在意義(というと大げさかもしれませんが)は“透過性と採光性のバランス”にあります。レースカーテンは外からお部屋の中を見えにくくしながらお部屋を適度な明るさにしてくれる、とても有益な装飾品なのです。
そんなレースカーテンの遮熱性を向上させたものが「遮熱糸レース」ですので、ガラスやサッシなどの建材と機能を比較する意味はあまりないでしょう。
日射反射率はブラインドなどの遮熱性能を算出するために使われている数値です。ガラスやサッシよりはカーテンとの比較対象になりそうですが、ブラインドに”透過性と採光性のバランス”は求めにくいので、カーテンと比較するならドレープカーテンと比較するべきでしょう。ドレープカーテンの日射反射率は測定していませんが、普通のドレープ生地で90%以上、遮光1級品なら99.99%の光を遮断します。
品番によって異なります。
単純に、遮熱糸の構成比が高い=遮熱性能が高い、とはいえません。仮に遮熱糸を100%使用したとしても、編目の大きな柄物やメッシュタイプのレース生地では高い遮熱効果は得られないでしょう。逆に、外からお部屋の中を見えにくくするミラーレースは生地の裏面に光沢糸がでるように編まれているため、ミラーの強い(ギラギラした)ものは遮熱糸を全く使用していなくても、一般レースに比べて遮熱効果があります。(参照:東リカーテンニュースH23夏号)
東リの遮熱レースは全ての品番に遮熱糸が使われていますが、レースカーテンの採光性とやさしい風合いを損なわない程度に緻密に編まれた生地であり、その多くは光沢糸が使われているミラーレースにもなっています。
カーテンでできる夏の節電のポイントは2つです。
どちらも面倒な作業はまったく不要。カーテンは窓辺を美しく装う装飾品でありながら 『簡単節電』できる便利グッズでもあるのです。