carpet
- 東リファブリックフロア
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ペットと暮らす住まいのポイントを
ケーススタディでご紹介します。no.88
犬や猫と快適に暮らすためのインテリア
室内で生活する犬猫にも、独りでいられる個人空間となる「隠れ家」を確保することをお勧めしています。その室内での配置に関して、第12回「和室に入りたがる犬や猫の行動について」で触れ、「隠れ家」の形状はホコラ状の寝床であることなどをご説明しました。犬の場合は、これをいわゆる「ハウス(寝床)」として活用できます。
犬にとって、寝床とするハウスの上はそれほど高い空間を必要とされないため、上部を収納にすることも提案してきました。そこで、壁面収納やカウンター下に「ハウス」を設けることをお勧めしています。棚の下のハウスでクレートやキャリーバックを利用すると、ホコラの中にホコラがある、いわば「入れ子構造」になり、犬にとって、ハウスをより安心感のある「隠れ家」にすることができるからです。
こういった犬のハウスの上の収納は、犬の玩具やリードやジャケット、フードなどが置かれる事が多いですが、ケアする人にとって使いやすい工夫もすべきでしょう。小さくても良いので、作業カウンターとなるようにすると、ケアをする人にも便利になります。
犬と暮らしている人は、屈む行動が多いので、屈んでの作業を減らす工夫が欲しいというお話を第64回「シニア犬との快適な住まい」で触れています。しかし、ハウス上を作業カウンターとした場合、「高さ」に、犬と人の都合が付かない事出てくるため、工夫が必要です。
犬のハウスが「隠れ家」として、安心感を高くしてあげるには、「ちょっと低いぐらいが丁度よい」ようです。犬が中小型犬であると、隠れ家空間に有効な高さが60cm以下になることがあります。対して、タオルやシートの折りたたみの作業といった、人に都合の良いカウンター高さは70cmから80cmです。つまり、犬と人の都合に、10~20cmの差があることになります。超小型犬ではクレートを活用しても、ちょっと間が空きます。
そこで、カウンターの下にも棚を設けたり、引き出し収納を設けて高さ調整したりすると、犬にも人にも都合がよくなります。扉上部に引き手がある「フラップダウン」の扉にすると、扉を開いて中を引き出して作業できるので便利です。ただし、重いモノを置くような作業台とするには、蝶番などの金物に強度が不足しがちなので、気を付けましょう。
また、柵(ケージ)ではなく壁を造ってホコラ空間に犬の居場所を確保した場合には、第67回「隠れ家にも空気の流れを」で触れたように、臭いと暑さ対策のために、隠れ家空間にも空気が流れるように、2方向に開口を設けるなど配慮しましょう。
壁面を「壁面収納+ハウス」にリノベーションするのは難しいと言う場合もあるでしょう。その場合は、作業テーブルを活用してみましょう。テーブルの下にハウスを置くと、多少犬の隠れ家空間としての天井は高いですが、「入れ子構造」なるので、「隠れ家」としてのある程度の効果も期待できます。お試し下さい。
profile
金巻先生(一級建築士)
一級建築士・博士(工学)・家庭動物住環境研究家一級建築士事務所 かねまき・こくぼ空間工房 主宰。
犬や猫といった家庭動物(ペット)との暮らしをテーマにした建築設計と、環境コーディネーターとして活動。適正飼養と環境整備に向けた学術研究も進めている。
著書に『犬・猫の気持ちで住まいの工夫』(彰国社)、『ねこと暮らす家づくり』(ワニブックス)、など。 ペット防災のNPO法人ANICE理事。東京都動物愛護推進員。 H25年度日本建築仕上学会学会賞(技術賞)「ペット共棲住空間用の建材に関する研究と技術開発」
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