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東リが独自で行う研究や調査のレポート

東リの研究レポート

no.01

フローリングで犬を飼うときの滑りについて

日本の住宅でよく使われているフローリングは、犬を飼うときに注意が必要です。ペットと暮らす「住まい」の悩みQ&A 犬:床のすべりでもご紹介のように、滑りやすいフローリングはペットの足腰に負担がかかり、歩行に支障が出ることもあるそうです。

第1回は、一般的なフローリングと東リのクッションフロア「CFシート-P NW」で犬がどのように滑り、何に注意すべきかを検証しました。「わんだふるな住まいの知識」でおなじみの一級建築士・博士の金巻先生と、ドッグトレーナー「ペットケアサービスLet’s」の三浦代表立ち会いのもと、さまざまな犬種で滑り試験を行ったレポートをご覧ください。

ご協力いただいたワンちゃんのご紹介

    小型犬

    ※一般家庭で多く飼われている犬種です。

  • トイプードル

    ハチくん

  • ミニチュアダックスフンド

    あんちゃん

  • ビーグル

    メープルちゃん

  • ラブラドゥードル

    しんのすけくん

  • ラブラドゥードル

    ふくちゃん

  • ラブラドゥードル

    さんしろうくん

  • 柴犬×コーギー

    ピースちゃん

※ワンちゃんのプロフィールや特徴などは、レポート最後の資料をご覧ください。

※ご協力いただいたワンちゃんの安全管理およびアフターフォローに十分配慮し、三浦代表監修のもとに行いました。

試験内容

ワンちゃんに仮施工した床材(一般的なフローリング、CFシート-P NW)の上を走行してもらい、 滑り性および減速度合いを4段階で評価しました。

※コースの直線部分、コーナー部分を撮影した動画を基に判定。

試験結果

滑り性

縦棒グラフ
  • 1. 明らかに滑る
  • 2. やや滑る
  • 3. 滑りそう
  • 4. 滑らない

減速度合い

折れ線グラフ
  • 1. 大きく減速する
  • 2. 減速する
  • 3. 多少減速する
  • 4. 減速しない

※減速度合いについては4段階で評価し、平均値を記載しています。

  • 小型犬

  • 中型犬

    大型犬

ピースちゃん(高齢犬)は、フローリングではすぐに滑って立ち上がれなくなりましたが、CFシート-P NWでは歩くことができました。しかし滑って尻もちをつくと立ち上がるのが困難な様子も見られました。

考察

一般的なフローリングと比較して、CFシート-P NWは滑りにくい傾向が確認できました。小型犬に関しては、コーナー部分で減速し、滑らないよう気に掛ける様子が確認できました。特にフローリングでその様子が確認できました。

大型犬に関しては、フローリング上では直線・コーナー共に大きく減速したにも関わらず滑る傾向にありましたが、CFシート-P NW上ではあまり減速せず、滑りにくい傾向にありました。

ワンちゃんにとっては、減速することも滑ることも足腰に負担がかかります。

今回の試験でCFシート-P NWは、フローリングと比較してワンちゃんへの負担を軽減できることがうかがえました。

また、飛び上がる(スキップのイメージ)ように歩行することで、一見上手に歩いているワンちゃんがいましたが、三浦代表曰くこれはフローリングに慣れているワンちゃんに見られる傾向のようです。

犬は本来、衝撃を吸収するために肩甲骨と骨盤を動かすことで、体への負担を減らすのですが、その動きが少ないと脚から背骨にかけて直接衝撃を受けてしまうため、将来ヘルニア等の炎症を起こしやすくなるそうです。

健康寿命を長く保つためにも、このような歩き方に早く気づいてあげたいですね。

まとめ

今回の試験で、CFシート-P NWは一般的なフローリングと比較してペット(ワンちゃん)への負担を軽減させることがわかりました。

また、犬種(足の形状、体型、足裏の状態)の違いや育った環境(床材)は、滑りや歩行の仕方に大きな影響を与えるという発見があり、改めてペットの特性に合った床材を選ぶことがとても大切だと感じました。

CFシート-P NWは防滑性だけでなく、おしっこのニオイを軽減する消臭(エアファイン)や、表面コート(高耐久UV樹脂コーティング)により汚れの取れやすさ、抗ウイルス性(SIAA登録)・抗菌性など、さまざまな機能を持っています。また、シート形状のため、タイルのように目地に排泄物等が染み込むことも回避できます。

ぜひ、ペット用の床材としてご検討いただければ幸いです。

最後になりましたが、ワンちゃんと飼い主の方々、金巻先生、三浦代表、ペットケアサービスLet’sの皆様、ご協力いただきありがとうございました。

ご協力いただいたワンちゃんのプロフィール

  • 小型犬

    トイプードル

    ハチくん(2歳)

      犬種の特徴
    • 泳ぎが得意(足に水かきあり)
    • 足は縦に細長い形状
      ワンちゃんの特徴
    • 運動量は、それほど多くなく散歩程度。
    • 足は縦に細長い形状。
    • フローリングで生活。
  • 小型犬

    ミニチュアダックスフンド

    あんちゃん(4歳)

      犬種の特徴
    • 足は大きく横に広がった形状(土を掘って狩りをする)※犬種の改良により足が小さくなってきている
      ワンちゃんの特徴
    • ダックスらしいしっかりした骨格※最近は、肉球が小さめのダックスもいる
    • 好奇心が強く興味のあるものへ走っていく。
  • 小型犬

    ビーグル

    メープルちゃん(9歳)

      犬種の特徴
    • 筋肉質でしっかりした体格。
    • 肉球は、猟犬らしい体のわりに大き目で肉厚。
      ワンちゃんの特徴
    • 食べることが大好き。
    • 普段は大人しいが、食べ物があると活発的。
    • 膝の亜脱臼があり、かばうために時々腰痛が発生。
  • 中型犬

    ラブラドゥードル

    しんのすけくん(11歳)

      犬種の特徴
    • ラブラドール、プードル、コッカー、スパニエルなどの犬種の交配でできた犬種。
    • 骨格はしっかりしており、肉球は大き目。
      ワンちゃんの特徴
    • 芝や土などの上で遊ぶ時間が多い。
    • 大きく体を伸ばして走る。
    • 軽い膝の亜脱臼があり、痛めやすい。(骨格形成・既往歴)今回の試験後、膝に違和感あり。
  • 大型犬

    ラブラドゥードル

    ふくちゃん(6歳)

      犬種の特徴
    • ラブラドール、プードル、コッカー、スパニエルなどの犬種の交配でできた犬種。
    • 骨格はしっかりしており、肉球は大き目。
      ワンちゃんの特徴
    • 幼少期から、芝・土などでの運動量が多い。
    • 骨格がしっかりしており、走り方も非常にキレイ。
    • 足裏毛などの手入れもしっかりされている。
    • 滑る場所でも、ある程度は自分の動きをコントロール出来る。
  • 大型犬

    ラブラドゥードル

    さんしろうくん(9歳)

      犬種の特徴
    • ラブラドール、プードル、コッカー、スパニエルなどの犬種の交配でできた犬種。
    • 骨格はしっかりしており、肉球は大き目。
      ワンちゃんの特徴
    • 幼少期に土などで運動する機会が少ない。
    • フローリングに慣れているが上に飛び上がるような歩き方をするため体を伸ばして走らない。 (足腰に負担のある歩き方)
  • 高齢犬

    柴犬×コーギー(MIX)

    ピースちゃん(16歳)

      犬種の特徴
    • 柴犬は、しっかりとした骨格を持ち、細長の肉球。コーギーは、胴長で肉付きがよい。
    • 体高が低いが大型犬並みの体力があり肉球もしっかりしている。
      ワンちゃんの特徴
    • 後期高齢犬
    • 立つ、座るなど自力で出来るが、滑りやすい場所での立位異キープが難しい。

※2022年1月10日時点の情報