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犬や猫たちの暮らしやしつけ、
健康などについてご紹介します。no.89
犬や猫の安全と危険回避
毎日が酷暑ですね。年々暑くなる世界の気候はもう何十年も昔から叫ばれている地球温暖化によるものと考えると、地球史上に類をみない速度で進んでいるように感じます。東京でも37度、ヨーロッパでは山火事、道路で転倒した人が路面(80度以上)での火傷を負い、スペインのオリーブも暑さのために実をつけないようです。世界中で見られる異常な現象は、毎日の私たちの生活の仕方と直結しているのですね。このような話題からの流れではOne Health、One Welfareの話題をお届けしたくなるのですが、そちらのお話はまた後日お届けいたします。今回は、より身近な伴侶動物の熱中症のお話をいたします。
ここ数年の夏の日々の診察の中で、当院に熱中症で急患として運ばれる患者さんの数は決して多くありません。おそらく都会で伴侶動物と共に暮らす家族の皆様は、熱中症への対策、知識、慎重さが身についていらっしゃるのではないかと思います。院内でも、夏が始まる前には注意喚起のパンフレットをお渡ししたり貼り出したり、SNS掲載などをして啓発を始めます。
犬も猫も熱中症には陥りますが、猫より犬が要注意です。特に短頭種(お鼻の短い犬種)、呼吸器疾患、心臓疾患、消耗性の高い腫瘍や糖尿病などの疾患を持つ犬達も要注意です。健康な犬でも、暑熱環境に長い時間さらされれば熱中症になります。今の時期は、朝晩を含むお散歩はかなり慎重に行う必要があります。夜間や早朝なら「大丈夫」というわけではありません。日中より気温、輻射熱、湿度などが少し和らぐであろうという前提で夜間早朝のお散歩は行かれている方が多いかと思います。しかし、本当に暑い時期は夜間でも早朝でも暑さと湿度などで熱中症の危険は潜んでいます。十分な情報と五感にも頼りながら、無理のないお散歩をしましょう。また、お散歩には通常のトイレグッズはもちろんですが、身体に装着できるアイスパック、冷却ベスト、お水などは必携アイテムですね。
また、思わぬ落とし穴として、車を使っての移動があります。駐車車両内への放置は論外ですが、車内でバリケンネル、キャリーケースなどに犬を入れて移動がすることは安全上重要ですが、本当に暑い時期では車内冷房を入れていても熱中症になってしまう事例が実際にあります。冷房が入っているから大丈夫、ではなく、常に犬の表情、呼吸の状態を併せて観察し、必ず身体を冷やすものを使用しましょう。
また、このような慎重さは真夏が始まる前、4、5月〜すでに意識して予防を考える必要があります。(特に最近の気候では注意です)人がちょっと暖かいかなと感じる時には、犬はすでに暑いと感じている事の方が多いものです。
熱中症は、進行が始まると止めどなく急激に進んでしまうことがあります。命に関わる状態に陥るものですので、油断なく、犬の状況をよくみて選択して行きましょう。
運動も、屋内に切り替えることができればその方が安全です。色々と考える事で、それまでと異なる新しく面白いコミュニケーションが生まれることもあるかもしれません。屋内遊びの仕方などは、主治医やしつけの先生などにも積極的に尋ねてご覧になると良いと思います。
profile
柴内晶子先生(獣医師)
赤坂動物病院 院長
伴侶動物医療の現場で、「人と動物の絆」〜Human Animal Bond〜を大切にした診療を行っている。
(公社)日本動物病院協会のアニマルセラピー活動であるCAPPへの参加推進を行い、社会活動として東京青山ロータリークラブでのアニマルセラピー活動を通じた社会奉仕活動を定期的に実施。心の窓をひらく「じっとみて」ワークショップには、未来育ティーチャーとして参加している。 日本大学では、非常勤講師として獣医倫理福祉の講義を行う。 様々な獣医事関連の委員会活動に従事し、日本大学外科学研究室の学部研究生として獣医再生医療にも積極的に取り組んでいる。