1. 犬家猫館.com
  2. にゃるほど犬猫塾
  3. 第56回 犬が良い家族になるために

にゃるほど犬猫塾

犬や猫たちの暮らしやしつけ、健康などについてご紹介します。

no.56

犬や猫のしつけ

犬が良い家族になるために

犬の問題行動の一つに、家庭内の特定の相手の言うことを聞かなかったり、攻撃的になるということがあります。また「この人だけは、なぜかなつかない」というケースもあります。

家族みんなが犬と楽しく暮らすポイントは、犬とのいい関係を築くことです。

犬は家族の一員です

犬は本来は群れで生活をする動物です。それは家庭内でも同じです。常に家族全員の愛情を受けて生活出来ることが幸せです。

「お母さんの言うことは聞くのに、お父さんの言うことは聞かない。」「おばあちゃんや小さな子供を威嚇する。」といった場合、これを正す方法は犬が一番信頼している人が、他の家族をどのように扱っているかがポイントになります。

例えば、お母さんの言うことは聞くのにお父さんには威嚇したり、言うことを聞かなかったりする場合、お母さんがお父さんを大事にしていないということも理由の一つになります。犬は自分の面倒を一番見てくれている人、尊敬している人、信頼している人が他の人をどう扱っているかをよく観察しています。「この人にはこうしてもよい」と判断してしまうこともあり、その人の言うことだけを聞き、他の人は近寄っただけで威嚇したりするようになることもあります。

犬と家族が仲良く暮らすために

犬と家族がうまく付き合っていくにはどうすればいいのでしょう。迎えた犬が小型で誰にでも甘えるような性格であればあまり問題はありませんが、活動的な犬種の場合は、迎えたその日から家族の言動を統一しておくことが大切です。例えばお年寄りや子どもさんには、食事を与えるなど犬の喜ぶことをさせてあげる、足を洗ったり、ブラッシングなどはお父さんやお母さんがします。また家族同志の対応を犬は良く見ていますので、犬に一番信頼を得ている人が、反抗され易い人を大切に扱うことが重要です。

犬は自分が信頼する人が他の人にどう接するのかを一日中見ています。自分の尊敬しているお母さんが、お父さんやおばあちゃんを大切にしているのを見ると、お父さんやおばあちゃんの言うことも聞くようになります。

犬への接し方を考えましょう

またお父さんに犬がなつかない理由として、家にいる時間が少なく接触する時間が短いことや声が低く体格が大きいなどが、小型犬にとって苦手な理由でしょう。この場合、お父さんは犬に対して優しい声を出して、やさしい動作をしてあげる。また家族に対しても同じように優しい態度で接することも大切です。更に食事はお父さんからもらうことが出来れば身近な存在となれるでしょう。

犬によっては急な動きをする小学生ぐらいの男の子を怖がることがあります。最近では石を投げたり棒で突いたりする子供も減っていますが、しつこくかまわれたり、大声を出すと、おびえたり警戒心を持つようになります。

大人がきちんと犬との接し方を教え、信頼関係を築くようにしましょう。

人間と長い歴史を共に歩み。伴侶動物の代表である犬は、私たちに優しさ、コミュニケーション能力、責任感、そして命の尊さなど様々な事を教えてくれます。

家族として迎える時には事前によく勉強をしてお互いが幸せな関係を築きましょう。

profile

柴内裕子先生(獣医師)

赤坂動物病院 名誉院長

日頃より伴侶動物医療に携る一方で、社会活動コンパニオンアニマルパートナーシッププログラム(CAPP)のリーダーとして高齢者や障害者の各種施設や病院、小学校などを動物たちと共に訪問するボランティア活動に幅広く活躍されています。(柴内先生には、東リ「犬家猫館」の製品開発の際にもさまざまなアドバイスをいただいております)