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犬や猫たちの暮らしやしつけ、
健康などについてご紹介します。no.55
犬や猫と暮らすということ
ペットロス症候群というのは、家族として共に暮らしていた犬や猫とお別れした後で、飼い主の心に「辛さ」が残りそのために体調を崩してしまう状況を示しています。さらにそのお別れが厳しい内容であれば辛さはさらに悪化します。
最近、人と同じように犬や猫も高齢化の傾向にあります。犬や猫と暮らした人の中には「前のこ(動物)とお別れが悲し過ぎたので、犬や猫ともう暮らしたくない」と思う人も多いと聞きます。しかし、動物たちと一緒に暮らすことは、私たちの心を豊かにし、生活に活気をもたらして様々な効果のあることが報告されています。また、次のこを幸せにすることは、前のこへの恩返しになります。
どうすれば、やがて来るお別れの時の「ペットロス症候群」に対する心構えができるのか、また少しでも心安らかに見送ることが出来るのかについて、考えてみましょう。
犬や猫は、私たち人間の4~5倍もの速さで年を取ります。そのことを心にとめておかなければなりません。かけがえのない存在だからこそ永遠に生きてもらいたいと思いますが、いくら大切な家族であっても、各々の動物の寿命があります。また動物が残されてしまっては不幸なことです。必ず人が看取ってあげることが動物への責任でしょう。
犬や猫の平均寿命は2014年の日本ペットフード協会の調査で、およそ14才代で、犬は17、8才、猫は20才前後の長寿も稀ではなくなりました。その時まで飼い主は見送ってあげることを理解して共に暮らし、大切な時を過ごしたいものです。誰でも愛する家族としての動物たちを見送ることは耐えがたいことです。それ故に犬や猫が歳を取り老齢化していく姿を大切に見守り、ゆっくり別れへの心構えを育んでいくことが大切です。様々な幸せな日々に感謝し、自分がその動物と楽しく過ごした時の健全さを保ち続けることが、共に暮らした恩恵であり、別れた動物への感謝の証です。
では、どのような別れが「ペットロス症候群」を引き起こしてしまうのでしょう。
それは突然の「事故」や急な「病気」など、心構えが出来ていない状態で動物とのお別れを迎えてしまった時でしょう。
突然の事故等で失ってしまうと、飼い主は自分自身を責め、心の傷は一層深くなります。これはまた、急な病気での別れも同様です。また、治療困難な病気と闘っている時、様々な治療で苦しんでいる姿を見ることでさらに辛い別れとなることもあります。このような場合、主治医と充分な話し合いを持ち、動物たちに苦しみの少ない治療方針へ切りかえることも大切です。病気が終末期を迎えた時は、可能な限り飼い主の手許に置いて自宅で出来る手当の指示を受け、最後までうちのこと一緒に病気と闘ったことを理解することが大切です。
最近はインターネットなどで情報があふれていますから、うちのこの病気の十分な情報を得て病気を理解することは大切ですが、情報が多すぎて迷い情報に振り回されて動物病院を転々としてしまい、治療の時期を失してしまう場面もあります。もし、いよいよ別れが近づき入院をしているときなど、最後は抱いて見送りたいなど希望があれば、そのことを動物病院へ伝えておきましょう。
また、事故や病気などでのお別れの状況だけでなく、飼い主の身辺の事情が「ペットロス症候群」を引き起こすこともあります。特に一人暮らしで一頭の動物と暮らしている場合、その動物が別れると飼い主は一人きりになってしまうからです。
さて、ペットロス症候群に陥らない方法ですが、可能であれば、次のペットを迎えるのが一番よいでしょう。また、出来れば今共に暮らす犬や猫が10歳を越したらもう1頭を迎える計画も大切です。
別れたあとは、手許も淋しく落ち込みがちですから計画的にボランティア活動をしたり、地域のしつけ教室へ学習や手伝いに参加するなど共に暮らした動物からの恩恵を大切にしたいものです。
多くの方々はお別れをして間もなく次の動物を迎えることを躊躇される方も多いのですが、もし可能であれば勇気をもって迎えて下さい。誰が世話をするより前の動物の経験のある貴方がお世話をすることがそのこを幸せにし、先代への恩返しにもなります。
犬や猫とのお別れは永遠の別れではなく、虹の架け橋のふもとでまた会えることをお伝えしています。
profile
柴内裕子先生(獣医師)
赤坂動物病院 名誉院長
日頃より伴侶動物医療に携る一方で、社会活動コンパニオンアニマルパートナーシッププログラム(CAPP)のリーダーとして高齢者や障害者の各種施設や病院、小学校などを動物たちと共に訪問するボランティア活動に幅広く活躍されています。
(柴内先生には、東リ「犬家猫館」の製品開発の際にもさまざまなアドバイスをいただいております)