なぜ、足を曲げているの?
しかしながら、若者世代とのズレを感じたのは、トイレです。まずトイレのピクトグラムが「ピーダンス」ポーズをとる男女のシンボルなのです。ちょっと足を曲げてトイレを我慢しているユーモラスな仕草を表しています。
さらにトイレに近づいて行くと、女性が鏡の前で化粧をしていたので、ここは女性用トイレだと思い、男性用を探すものの、どうしても見つかりません。そこで勇気を出してそのトイレに入ると、中央に横長の鏡があり、そこで男女のトイレゾーンを分けています。右側が男性、左側が女性専用ですが、小便器は見えません。男もトイレブースのドアを閉めて使います。つまり外見は男女同一のトイレ空間なのです。
通常、混雑時には女性用トイレに長い行列ができますが、混雑緩和策として男性用を使うように促しても、やはり女性は抵抗を感じますね。しかし、このトイレなら、男性用が空いている時には、気軽に使うことができます。きっと若いデザイナーの新しい試みでしょうか。それとも、男女の差異がなくなりつつある北欧で、さらなる男女平等精神のあらわれかもしれません。
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(写真) Pee danceのピクトグラフ。「なぜ足を曲げているの?」新感覚を理解するには、少し時間がかかる。
この男女トイレのピクトグラムのある入り口に行くと、奥から女性が出てくる。一瞬、「間違えたかな?」と思った。 |
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(写真) 女性が出てきた場所には、男女のサインがはっきりと表示されている。入りやすいようにドアはない。
中に入ると左側に個室ドアが並び、女性用トイレと判断。一歩下がって男性用を探すが、どこにも見当たらない。
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(写真)奥にある以外の可能性はないと判断して、勇気を出して奥に入ると、やっと男性用のドアが並んでいる。
一安心したものの、男性用小便器はどこにもない。男女共同のトイレであり、横長のミラーと手洗いカウンターで男女のスペースが分かれているだけ。
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(写真左) 別に女性のための化粧直しスペースが設けられている。
(写真右) さらに障害者、高齢者とオムツ交換スペース付トイレは、今はどこでも義務付けられているので、主夫にも便利。
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というわけで、ちょっとどきどきしながらの新トイレ探訪でした。しかし、トイレはバリアフリーが前提で高齢者、障害者の外出の自由が広がります。ノーマライゼーションの思想が現実の社会で実践されているようです。
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