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「寒中水泳」しませんか?

フィンランドの冬の一日の始まりは、寒中水泳。

2018.3.22 / ソニー・ナカイ(グラフィックデザイナー、在フィンランド)

ユーモアあふれるサウナの発想!

サウナの習慣も健康法の一つ。サウナはフィンランド発祥と言われていますが、アメリカンインディアンにも、テント内でサウナストーブを焚いて寒さを凌いだという歴史が残っています。簡単な構造で、テントのような薄い膜の中でも高温蒸気で汗が湧き出てきますので、いつでもどこでもキャンピング気分でサウナを楽しめます。ポンコツ車をサウナに改造して、車で牽引することも可能です。天空のロープウェイに吊られたサウナを写真で見たこともあります。イカダに取り付けたサウナを湖に浮かべて、汗をかいては飛び込む。はたまた、小型バスにサウナを設置した「カラオケサウナBUS」で移動するサービスもあります。日本ではサウナを贅沢なものだと思われているようですが、フィンランドではサウナは国の心です。一昔前までは、お産の場としても使われていました。誰もが普通に使っている日常品なのです。

テントの中心にサウナストーブを置くだけで準備完了。贅沢品のイメージかもしれませんが、フィンランドでは、【誰でも、どこでも】品として使われています。

テントの中心にサウナストーブを置くだけで準備完了。贅沢品のイメージかもしれませんが、フィンランドでは、【誰でも、どこでも】品として使われています。

テントサウナは、小さな湖畔にも簡単に設置できます。本来のサウナストーブは発汗が目的ですが、暖房用にも十分に使えます。キャンプに持参すれば、涼しくなる秋口にも、テント内は夏の居心地ですね。

テントサウナは、小さな湖畔にも簡単に設置できます。本来のサウナストーブは発汗が目的ですが、暖房用にも十分に使えます。キャンプに持参すれば、涼しくなる秋口にも、テント内は夏の居心地ですね。

フィンランドで真のフィンランドを知る

フィンランドの旅といえば、【オーロラを求めてラップランドへ】が定番として浮かびます。素晴らしい思い出が残るでしょう。でも、それは快晴の夜でなければお目に掛かれないので、1週間もホテルに滞在して見ることができなかった、と嘆く人もいました。せっかくのフィンランド旅行で、こんな風にストレスを溜めてしまう可能性があります。

たまに北極圏で出会える現象もいいのですが、生活につながる自然環境を通してフィンランドの文化に触れることも、フィンランドスピリットを真心で受け取ってもらえると思います。静かな自然に包みこまれて、森の湖畔にたたずむログハウスの暮らしから、深いインスピレーションに満たされる感激。ぜひ、フィンランドで体験してください。人口密度の低いフィンランドでは【人が点在する】という気分から、【世界は自分のためにある】と飛躍しそうです。たとえ、錯覚であったとしても……

ボート置き場から海辺の夕陽を見る。フィンランドの夏の夜です。サウナ後は、この風景にどっぷりと浸り、熾火でゆっくりソーセージを焼いて、冷えたビールとともに時を過ごします。

ボート置き場から海辺の夕陽を見る。フィンランドの夏の夜です。サウナ後は、この風景にどっぷりと浸り、熾火でゆっくりソーセージを焼いて、冷えたビールとともに時を過ごします。

真冬には、沖合100メートルも離れた湖面にうっすらと積もった雪の上に寝転がって青空を見つめていると、ストレスも消えてしまいます。無駄なことは横に置いて、じっとしていると、自分が見えてきます。かたや夏には、冬の間に凍ってしまったフィンランド人の心も溶けて、オープンな心情が戻ってきます。夏の長い日射とあふれる緑の中で、人々の表情は温かく、楽しそうに変わってきます。街なかを歩く人々の顔にも広がってきます。

海面も厚い氷に閉ざされます。いつも海を眺めている岸辺を、沖合から逆に眺めると、陸上からは決して見えない「陸の全貌」が見えてくるという、不思議な発見があります。

海面も厚い氷に閉ざされます。いつも海を眺めている岸辺を、沖合から逆に眺めると、陸上からは決して見えない「陸の全貌」が見えてくるという、不思議な発見があります。

雪が降っても、まだ海は凍っていません。水温はだいたい2~3度なので、ここで寒中水泳ができます。さらに気温が下がると、氷に適当な大きさの穴を開けてポンプで空気を送り続けると、水面が動くので凍りません。

雪が降っても、まだ海は凍っていません。水温はだいたい2~3度なので、ここで寒中水泳ができます。さらに気温が下がると、氷に適当な大きさの穴を開けてポンプで空気を送り続けると、水面が動くので凍りません。