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建築ブームの背景は?

〜最近のフィンランド事情あれこれ〜

2017.7.13 / ソニー・ナカイ(グラフィックデザイナー、在フィンランド)

障がい者の共同住宅を見学

最近、ヘルシンキ海岸地域に新築された海の見える身体障がい者向けのマンションに行ってきました。障がい者のいる家族が集まり、子供たちの将来の住居問題を解決するために自分たちで土地を探し、保護団体と協力して、ヘルシンキ市へ身体障がい者のための共同住宅建設プロジェクトを立ち上げました。これはムーミンの思想です。必要であるのに、現実に無いものは、自分たちで作り上げれば良いのだ。数々の苦難のプロセスを経て、この考えを実現させたわけです。全家族(主に親たち)がヘルシンキ市と契約書を交したので、一生安心して暮らしていけます。誰も、この家から立ち退くことを、強制されません。

経済的な余裕がない場合は、8万円ほどの維持管理費を国が補助してくれます。同時に自分でも職を探して、できるだけ自力で賄って行ける様に努力しています。社会の一員であるという自尊心を尊重することが求められています。

同じ設備のキッチンが各部屋にあるのですが、共用のキッチンもあり、パーティなどの機会にここで料理を作ります。気持ちの良い吹き抜けの食堂にはグループで座れる椅子とテレビがあり、住人が一緒に時間を過ごす大切な場になります。

同じ設備のキッチンが各部屋にあるのですが、共用のキッチンもあり、パーティなどの機会にここで料理を作ります。気持ちの良い吹き抜けの食堂にはグループで座れる椅子とテレビがあり、住人が一緒に時間を過ごす大切な場になります。

建物の3階までは各階に4〜5部屋の居室があり、さらに4階には、居住者用の倉庫が用意されています。

建物の3階までは各階に4〜5部屋の居室があり、さらに4階には、居住者用の倉庫が用意されています。

地階には、便利な設備が整っています。サウナ、洗濯と乾燥場、ジムもあり、必要であれば、看護者のサポートを得て自由に使えます。下のランドリーと物干し乾燥室も整った設備と思いました。

地階には、便利な設備が整っています。サウナ、洗濯と乾燥場、ジムもあり、必要であれば、看護者のサポートを得て自由に使えます。下のランドリーと物干し乾燥室も整った設備と思いました。

部屋から共用キッチンに至るまで、すべてのスペースにはアルテック社のアアルトのデザイン家具と照明があり、居心地の良いインテリアで高級感を出しています。各部屋の大きなガラス窓はベランダに続き、どの部屋からも海辺の風景が楽しめる様に設計してあります。開放的なベランダの床には、うっすらと雪がつもっています!

部屋から共用キッチンに至るまで、すべてのスペースにはアルテック社のアアルトのデザイン家具と照明があり、居心地の良いインテリアで高級感を出しています。各部屋の大きなガラス窓はベランダに続き、どの部屋からも海辺の風景が楽しめる様に設計してあります。開放的なベランダの床には、うっすらと雪がつもっています!

障がい者が住む部屋はLDKと寝室があり、室内はすっきりと整っています。できる限り自分で掃除をしますが、必要であれば付き添いナースが手伝ってくれます。自分では手の動きが不自由で料理はできなくても、しっかりしたキッチン設備が揃っていました。ベッドルームもシンプルですね。

障がい者が住む部屋はLDKと寝室があり、室内はすっきりと整っています。できる限り自分で掃除をしますが、必要であれば付き添いナースが手伝ってくれます。自分では手の動きが不自由で料理はできなくても、しっかりしたキッチン設備が揃っていました。ベッドルームもシンプルですね。

コメント

リポートされている建築ラッシュ風景には、1990年ごろのバブル経済を思い出します。あの頃は地方都市でもマンションが即刻完売しました。今では少し信じられませんが、20代の会社員までがローンを組んで、買い急いでいました。その後の中国経済の急発展も北京五輪をはじめとする国家プロジェクトによるインフラ建設事業に支えられていました。

インフレ率2〜3%は、日本でも目標にしている数値と思いますが、現在ではなかなか達成できない状況です。2020年東京オリンピックを控える首都圏と、伝統文化の拠点を死守する京都だけは別格のようですが?

次回もヘルシンキ周辺のマンション新築の波、そのデザインについてリポートをお届けする予定です。続きも楽しみにしてください。

(せきゆうこ・フィンランドフォーラム・コーディネーター)