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ポルヴォーのアンティークハウスで日本食を!

ポルヴォーの古い町で

2015.06.01 / ソニー・ナカイ(グラフィックデザイナー、在フィンランド)

日本のお花見はどうでしたか?こちらはイースターが終わり、ヴァップ(5月1日のメイデイ祭)も過ぎました。日照時間はぐんぐん伸びていきます。夏にむけて、これから観光客が増えていきます。ミラノ万博の速報もお伝えしますので、最後までお読みください。

ポルヴォーの古い町で

私の知人の一人、プロダクトデザイナーのタウノ・タルナさんは、日本の伝統文化への歴史認識が深い方で、南部鉄器をデザインしたこともあります。(岩手県の南部鉄器メーカーが開発しているプロアルテシリーズや、角型のグリルパンはグッドデザイン賞を受けています!)

彼は、既に30年近くも、フィンランドの古都ポルヴォー(フィンランド語PORVOO スウェーデン語BORGÅ)で暮らしています。ポルヴォーは、フィンランドで2番目に古い町として有名なところで、伝統的な木造家屋の街並みで有名です。ヘルシンキから東へ50キロ、高速路線バスで約1時間。半日コースでも行けるので、ヘルシンキからの人気観光ルートのひとつ、夏には観光船もあります。昨年は、ポルヴォー中心部から5キロ離れた海岸沿いに立地する【ホテル・ハイッコ】をご紹介しました。こちらは滞在型の観光ポイントです。

教会通りの広場の角にあるタルナさんの家は、200年の歴史を誇る「骨董住宅」です。

教会通りの広場の角にあるタルナさんの家は、200年の歴史を誇る「骨董住宅」です。

今回は旧市街にお住いのタルナ家に伺いました。この素敵なアンティークハウスで、日本料理食事会のコックとして、料理の腕を発揮する機会をいただいたのです。コックといっても、私の腕は趣味レベルです。しかし、おそらくゲストには、日本料理の微妙なこだわりまでは、なかなか分からないでしょう。まずは、料理として美味しければ、とても喜んでくれると思いましたので、その程度の腕で挑戦してみました。

食事を共に楽しむことは、初対面の人と友達になるために、とても良い機会です。世界遺産でもある日本料理は海外で高く評価されていますから、食事を通して話題が広がることでしょう。当日の主客は、フィンランド在住のドイツ人骨董コレクターのクレスさんです。彼の【印籠コレクション】は、数年前に、九州の国立博物館の展覧会に貸し出されたほど、ハイレベルなものです。(コレクターのクレス氏の漆美術品コレクションは2010年12月のリポートでもご紹介しました。)

日本料理で友好的食事会

さて、料理は純粋な日本の味を目指てし、ヘルシンキにある日本食レストランであまり見られないメニューを選びました。
まず、オードブル4点

鳥の照り焼き、ガーリックソース風味の海老を添えたもの
味噌汁
茶碗蒸し
たっぷり脂肪がのったサーモンにアボカド添え

メインはしゃぶしゃぶです。フィンランドでは、薄切り肉を使う習慣がないので、スーパーでは塊肉しか買えません。だからまず牛肉の塊肉を冷凍してから半解凍状態にして、切れのよい包丁で薄切りにします。他にも、椎茸、シメジ、豆腐、ねぎ、白菜など、かなりの食材がスーパーで入手できます。鍋はもちろん、タルナさんがデザインした南部鉄器のキャセロールです。
デザートは、抹茶入りのバニラアイス。