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アールトのヴィラ・コッコネンにて

アルバー・アールト設計のコッコネン自邸

2015.02.05 / ソニー・ナカイ(グラフィックデザイナー、在フィンランド)

フィンランドの魚料理

さて、旅行の友はグルメです。特に日本人にとって、新鮮な魚は欠かせない健康食であり、料理人にとっても新鮮な素材の味を競い合う食材ですね。北欧フィンランドの旅行で、いつもとちょっと違う味わいの魚を紹介致します。

その1 普通のスーパーで買える魚

Silakka(英語名Baltic herring)
庶民に愛される魚で体長5〜10cmほどの大きさのバルト海産のニシンです。以前は、とても値段が安くて、庶民に愛され続けてきた魚でした。私は「ウナギの蒲焼」が恋しくなると、この魚を蒲焼にして、日本を思い出します。また、軽く塩を振ってから酢でしめれば、寿司ネタにもなりますので、日本料理に相性のよい魚です。
フィンランドの伝統料理では、軽く卵とパン粉をまぶしてバター焼き。フィンランド人の好物で、マッシュポテトを添えて頂きます。値段は1キログラムで3ユーロくらい。

Muikku(英語名Vendace 白鱒)
シラッカと比べてやや小さめ。油がのっていますので、シラッカと同じく、バター焼きに美味しい魚です。天ぷらもいいですね。値段は1キログラムで5ユーロ。

Lohi(英語名Salmon 鮭)
北欧を代表する魚で、世界の台所で愛され、スーパーでいつでも手に入ります。ノルウェイ産キングサーモンは油がのっていますので、フィンランドの寿司には欠かせない魚です。また、半身にしたサーモンに大粒の塩と砂糖を振って一晩寝かせてから、ディルを添えて茹ポテトと食べるなど、パーティーには欠かせない料理です。スーパーで3キロもある巨大なサーモンも手に入ります。しかし、通常パックされているものは、1キロ前後のサイズで、1キログラムあたり10ユーロから20ユーロ。

写真は森でキャンプする時の料理法です。木の板にサーモンの開きを木釘で止めて、焚き火であぶり焼きにします。調味料は焼く前に振る塩のみ。湖畔では虹鱒が釣れますので、新鮮な魚はとてもおいしいです。

写真は森でキャンプする時の料理法です。木の板にサーモンの開きを木釘で止めて、焚き火であぶり焼きにします。調味料は焼く前に振る塩のみ。湖畔では虹鱒が釣れますので、新鮮な魚はとてもおいしいです。

Siika(英語名White fish)
鮭科に属する白身の海水魚で、1キログラムで20〜30ユーロです。鮭の赤身とシーカの白身を並べると紅白の寿司ネタになります。また、シーカの卵巣は高級キャビアなので、ロシア料理の「ブリニ」の上に添えるキャビアとして愛されています。

その2 時々スーパーで見つける魚

Hauki(英語名Northern pike 川マス)
湖でルアー釣りをする白身魚で、白い斑点が特徴です。大ぶりな体型で、大きくなると5kg以上に育ちます。鋭い歯がありますので、気をつけてください。12キロもある巨大サイズも時々釣れるので、釣り好きの対象になっています。子供でもこの大きさを釣る経験者が多いのです。
この白身魚は身くずれしやすいので、家庭料理ではスープに使われます。小麦粉をまぶしてバターで焼き、白ワインで仕上げるムニエル料理も多いですね。

Ahven(英語名 Perch)
湖水の魚で、ミミズでも良く釣れます。大きさは15〜30cm、銀色に黒い縞模様、赤いヒレが特徴です。皮は厚いのですが、おいしい白身魚で、クリームやムニエル料理に合います。ただし、ヒレは針のように鋭いので、取り扱いには要注意。私の好きなパン粉でバター焼きの料理を紹介していますが、この料理法はフィンランドで一般的です。

Kampela(カレイ)
カレイの一種で体表面に粘り気のある魚です。料理前の仕込みで鱗を丁寧に落として、煮付けや蒸し料理にして、レモンソースや醤油添えでおいしくいただきましょう。

Kuha(英語名 Zander カワスズキ)
大ぶりの白身魚で、あばら骨の先が二つに分かれています。肉質は少しぱさぱさした感じです。

その3 冷凍品で売っているもの

殻付きのエビは、テーブル上で殻をむきながら身を取り出し、レモン水に指を付け、指で口に持っていきます。ワインを飲みながら、おいしい組み合わせ。
ザリガニは夏の終わりの一大イベント、ザリガニ・パーティの主役です。ウォッカを飲みながら、身の少ないザリガニを口に入れて、酒歌を歌い、家の庭でロウソクの光でお祝いするのは伝統行事です。夏の終わり頃はまだ明るいので、キャンドルの灯で十分です。とにかく、北欧人は「良く飲む人種」ですね。

コメント

ヤルベンパーのコッコネン邸。アアルト設計の小住宅とサウナ、庭のプールから湖の風景と、夏に訪問できれば最高ですね。一般公開して、食事やお茶、音楽演奏まであるとは、予約しても体験したい場所です。日本のリゾート地でも、混み合わなければこんな風景が見られるもではないでしょうか。昨夏に立ち寄った、裏磐梯高原の風景や匂いが、なんとなくフィンランド的でした。シックなホテルアアルトもあります。

その名もホテルアアルト(建築家:益子義弘さんの設計)

その名もホテルアアルト(建築家:益子義弘さんの設計)

魚料理も基本は焼くのですね。サーモンのまるごと燻製もよく作りました。懐かしいです。ソニーさんの寿司料理もおいしいことでしょう。

(せきゆうこ・フィンランドフォーラム・コーディネーター)