carpet
- 東リファブリックフロア
- 犬や猫は、フローリングで滑ってケガをする恐れも…クッション性が高くてズレにくいタイルカーペットは足への負担を軽減し、ペット臭をやわらげる機能の商品もあります。
ペットと暮らす住まいのポイントを
ケーススタディでご紹介します。no.55
犬や猫と快適に暮らすためのインテリア
限られた空間を共有する猫達の社会活動が潤滑に行われるためには、上手なすれ違いが大切とお話しました。自宅内の猫アスレチックは、猫一頭がやっと歩ける巾ぐらいしかない事が多いですね。そうなると、渡り通路では相手とは真正面で向き合う形になるので、気の弱い子の方がしかたなくUターンするといった行動も見受けられます。慌てていると足を滑らせて渡り通路から転げ落ちる、そんな危険な状態も少なくないとのことなので、気をつけたいですね。
狭く細い通路が長く続くときは、途中いくつか枝分かれして、お互いに避けられるようにするべきですが、方向は平面だけではありません。高さを変えてよける行動も猫は多いので、一段下がる・上がっての別道へという縦方向の移動もできるようにしておきましょう。
高所の渡り通路は基本的に行き止まりになっていないことも大切です。高い場所の通路で行き止まりがあると、追い詰められてそこから飛び降りるという行動につながります。猫の渡り通路は、人の日常活動の妨げにならない位置、つまり、梁であるとか人の頭がぶつからない高い場所に作るとことが多くなりますね。つまり、高さ2M以上あるということになります。若く元気な猫なら、そんな場所からのジャンプもヘッチャラに見えます。しかし、猫が飛び降りる時は、降りる位置と高さをよくみるといった丁寧な確認作業を行って飛び降ります。時間も体勢も必要なのです。慌てて飛び降りたのではちょっと心配です。
ですから、高い渡り廊下には上り下りの通路は両端にあるような状態にしておきましょう。追いかけっこで行き止まりに追い詰められ、仕方なく飛び降りるといった事態を回避でき安心です。猫にだって2方向避難は重要なのです。
2方向の上り降り通路は、安全対策だけではなく猫アスレチックの空間倍増装置としての機能を十分発揮させるための必須アイテムです。通路の両端にキャットタワーなどの上り下り設備があれば、立体的な回遊ルートが成り立ちます。空間変化を楽しむ魅力的なアイテムとして猫はアスレチック全体を有効活用してくれるでしょう。
ただし、猫は垂直方向の移動は下りは不得意なことは忘れてはいけません。よじ登ったりくぐり登るスタイルは楽しそうですが、垂直に近いモノは降りるには時間がかかります。急いで降りるには向かない通路です。急いでも安全に降りる通路を2方向というのが基本で、垂直移動の通路はプラスアイテムぐらいに理解しておくべきでしょう。
profile
金巻先生(一級建築士)
一級建築士・博士(工学)・家庭動物住環境研究家一級建築士事務所 かねまき・こくぼ空間工房 主宰。
犬や猫といった家庭動物(ペット)との暮らしをテーマにした建築設計と、環境コーディネーターとして活動。適正飼養と環境整備に向けた学術研究も進めている。
著書に『犬・猫の気持ちで住まいの工夫』(彰国社)、『ねこと暮らす家づくり』(ワニブックス)、など。 ペット防災のNPO法人ANICE理事。東京都動物愛護推進員。 H25年度日本建築仕上学会学会賞(技術賞)「ペット共棲住空間用の建材に関する研究と技術開発」
「猫と暮らす住まいのつくり方」
ライフスタイルやプランに応じた住まいの実例が豊富!猫にとっての快適ポイントや危険対策がわかる!業者選び、内装材、予算などのお役立ち情報も!
「犬・猫の気持ちで住まいの工夫」増補改訂版
単なるペットのトラブル対策に終わらないしつけやトレーニングも踏まえながらのアドバイスが満載。
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「ねこと暮らす家づくり」
猫の「あったらいいニャ~」に応えるための、賃貸やマンションでもチャレンジできる工夫を案内しています。
ワニブックス刊 定価(本体 1,300円+税)