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  3. 第47回 犬や猫のための爪の切り方

にゃるほど犬猫塾

犬や猫たちの暮らしやしつけ、健康などについてご紹介します。

no.47

犬や猫のお手入れ

犬や猫のための爪の切り方

犬や猫の身体の手入れをすることは、健康で快適に過ごすために重要なことです。ところが、このような手入れも小さい頃にいやな思いをしたり、成長してから突然始めれば、スムーズに行えなくなります。子犬、子猫の時期から優しく愛情をこめて、少しずつ手入れをして、嫌がらないで出来るようにしましょう。

爪の手入れは小さいうちから!

自然の中で暮らしていると、犬や猫の爪は歩いたり獲物を獲ったりしているうちに摩耗して一定の長さに保たれます。ところが人と一緒に暮らすことで爪は摩耗する機会が少なくなり、放っておくとどんどんのびてしまいます。爪をのび放題にしておくと、歩きにくいばかりでなく肉球に食い込んだり割れたりしますので、定期的に爪切りを行うことが必要です。

犬・猫ともに共通しますが、まだ爪を切られている意識がないくらいの幼い頃に、爪切りは何でも無いことなんだ、飼い主さんにかわいがってもらっているんだ、と教える事が大切です。少々神経質な犬や猫でも、赤ちゃんのころから慣らしておくと、かえって爪を切っている時間の方がリラックスできるようになることもあります。

体に触れられることに過敏な性格の犬や猫は成長してから爪切りを教えるのはとても難しくなります。

犬と猫の爪の特徴

犬の爪:
犬は地面を歩くのに爪を使うため、爪は常に出たままです。
野生の頃は獲物を追いかけて爪を使い、自然に摩耗していたと思われます。

猫の爪:
猫の爪は出し入れできるようになっています。猫は獲物を取る際、待ち伏せて獲物が通りかかったタイミングで前脚を使うため、鎌のようなカーブした鋭い爪を持っています。

このような犬と猫の爪の構造や捕食動物としての行動の違いが、爪の特徴の違いに現れていることを理解しておきましょう。

爪を切る際の注意

犬や猫の爪は、人の爪のように平に伸びて来るのではなく、更に褐色や黒い爪もありますから、切る場所が分かりにくく切りすぎないように注意しなくてはなりません。切る時の目安は、初め爪の先のカーブしている部分だけ切ることです。

犬の爪は出たままなので、床を歩いている時に爪の当たる音がしたり、爪の先が細く尖って感じた時は切らなければいなりません。指先が平らになっている状態なら切らなくてよいでしょう。爪を切った後はやすりをかけて、人の衣服やカーペットなどにひっかからないようにしておきましょう。

猫の場合は、指先を軽く押して爪を出してから切り、出来れば軽くやすりで丸みをつけておくと安心です。犬も猫も爪切りが不安でしたら、最初は動物病院で切り方を教えてもらいましょう。

また爪切りの道具ですが、人間よりも厚くて硬い爪を持っているため専用のニッパーとやすりが必要です。小型犬や猫の場合なら、ちょっと大きめの人間の爪切りでも切ることができます。人間の爪切りで切れるようであれば十分活用出来ます。

最初は大好きなご褒美を与えながら、爪1本から始めて、嫌な思いをさせないよう根気良く行いましょう。幼い頃からこわがらせないで爪を切る習慣を付けると、リラックスして飼い主さんの膝の上に寝転がって切ることも出来ます。是非努力して下さい。

profile

柴内裕子先生(獣医師)

赤坂動物病院 名誉院長

日頃より伴侶動物医療に携る一方で、社会活動コンパニオンアニマルパートナーシッププログラム(CAPP)のリーダーとして高齢者や障害者の各種施設や病院、小学校などを動物たちと共に訪問するボランティア活動に幅広く活躍されています。(柴内先生には、東リ「犬家猫館」の製品開発の際にもさまざまなアドバイスをいただいております)