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にゃるほど犬猫塾

犬や猫たちの暮らしやしつけ、健康などについてご紹介します。

no.24

犬や猫のストレス回避

引っ越しなどで住まいが変わるときに

引越し前のケア

引っ越しによる環境の変化は、動物たちにとって大きなストレスになります。なにかと準備に追われて犬や猫のことにまで気が回りにくいものですが、できるだけ犬や猫に不安感やストレスを与えないように次のことに注意します。

  1. 準備で段ボールを積み上げたり、家の中が慌ただしくなっても家族が落ち着いた言動で接して少しでも不安感を与えないようにしましょう。
  2. 引っ越しの時や新居で使うサークルやケージは前もって室内に置いたり使わせておくと良いでしょう。
  3. 犬は可能であれば事前に新しい住まいへ何回か連れて行きます。場所を覚えて引っ越し後のストレスを軽減することが出来ます。

引越し後のケア

信頼する飼い主と一緒であれば新しい住まいにも比較的早く慣れる犬に比べ、住み慣れた場所に執着する猫は、新しい環境になかなかなじめないものです。

  1. ・ 引っ越して行く前にトイレを準備しておいて、最初にその場所を教え、あまり離れていない部屋で生活させます。・ ドアやベランダなど、犬の逃走や転落を防ぎます
  2. ・ 新しい家では今まで使っていたトイレを置いて、その部屋で生活させます。又はケージの中にトイレも準備してその中でしばらく生活させることも良いでしょう。・ 猫のいる部屋のドアや窓は決して開け放さないで下さい。迷子や転落事故を防ぐことが最も大切です。新しい住まいの片づけが済んだら、猫を他の部屋にも入れて自分の身のまわりの部屋や家具などを少しずつ覚えさせて、「ここは自分の場所」と認識させるようにしましょう。新しい環境に慣れるまでには少なくとも1ヵ月程度はかかりますので、徐々になじめるようやさしく見守ってください。猫は地球上で自分がいる位置を覚えている動物です。窓が開いていたり玄関のドアが開いたりすると、新しい家を飛び出してそのまま前の家に戻ろうとして様々な事故にあい命を失うことになります。

犬の場合も絶対にリードを離さないようにします。帰巣本能がありますので、事故や行方不明の原因になります。新しい住まいに引っ越したことから悲しい経験をしないように前もって準備をしておきましょう。

猫のトイレは使い慣れたものを

引っ越しの際、もっとも大切なのが猫のトイレです。新しい家にあわせて、いろいろなものを新調したくなりますが、猫のトイレは前の家で使っていたものを必ず持っていくようにしましょう。

猫は元々トイレに関してはとてもデリケートで、位置が変わっただけでも粗相をしてしまうこともありますから、新しい住まいでは使い慣れたトイレを、猫が安心できる場所に置くようにしましょう。最初の1ヶ月間はあまり広くない部屋にトイレを置き、その部屋を猫の居場所にすると、猫が迷うことなくトイレをすることができます。また、その部屋には知らない人が出入りしないこと、恐怖感やストレスを与えないことが大切です。

引っ越し先の環境について

マンションであれば「ペット可」であることを確認しましょう。また、「ペット可」であっても、引っ越しをしたら是非ご近所に挨拶をしておくことも大切です。

profile

柴内裕子先生(獣医師)

赤坂動物病院 名誉院長

日頃より伴侶動物医療に携る一方で、社会活動コンパニオンアニマルパートナーシッププログラム(CAPP)のリーダーとして高齢者や障害者の各種施設や病院、小学校などを動物たちと共に訪問するボランティア活動に幅広く活躍されています。(柴内先生には、東リ「犬家猫館」の製品開発の際にもさまざまなアドバイスをいただいております)