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犬や猫たちの暮らしやしつけ、
健康などについてご紹介します。no.22
犬や猫のストレス回避
前回は動物たちとの暮らしの中で、問題行動についてお話ししましたが、今回も引き続き猫のストレスについてお話ししましょう。
前回、猫の問題行動として「トイレの失敗」と「爪研ぎ行動」をご説明しましたが、その他にも「食欲にムラがある」「逃げ込む」「物音におびえる」「外をさかんに監視する」「外にいる猫を見て排泄をする」といった行動をとることがあります。そういう行動のみられた時は、原因を調べて、その原因となるものを見えなくする、聞こえなくするなどの対策を考えます。
猫のことをよく分かっている飼い主は、前回あげた大まかに分けた三種類の猫のタイプ、
から、自分の猫がどのタイプなのかを理解して接しています。
ところがまだまだ猫への理解が不充分な飼い主は、猫が嫌がっているのにも気付かずに、だっこしてひたすら可愛がることが良いと勘違いしてしまうこともあって、それが猫のストレスになることもあります。
猫はもともと犬と違って群れの動物ではないため、人といっしょに暮らす際にはこういったストレスに気を配ることが大切です。
また、猫は犬に比べて、もらってきたり拾ってきたりすることから飼い始めることが多いのですが、拾ってきた猫については、特に母猫から「人間には警戒するように。距離を置くように。」と幼い頃から学習していることが多く、人間に対して警戒心の強い猫が多いものです。そういった猫と暮らす場合、なかなか体に触らせてくれないこともあります。
このように猫にも生まれ持った資質や、子猫の頃の環境で育てた性格によって、いろいろなタイプがいますので、人に触られるのをあまり好まない猫に対しては、ゆっくりじっくり信頼関係を築き上げていくことが大切でしょう。
猫と人との関わりは犬に比べるとおよそ半分位の歴史ですが、人が備蓄する穀物や貴重な書物をネズミの害から守るために、船に乗って世界に広がったと言われます。そのように長い年月を共に暮らし助け合ってきた家族としての猫ですから、心をこめて接することで、信頼関係が出来ると、親子のように甘える猫にもなります。しかし、猫は犬と異なり、親や環境から受け継いだ性格をしつけなどですっかり直すことは難しい動物です。そのことを理解して、無理をしないで根気よく接し個性的な家族として互いに尊重し、楽しんで下さい。
profile
柴内裕子先生(獣医師)
赤坂動物病院 名誉院長
日頃より伴侶動物医療に携る一方で、社会活動コンパニオンアニマルパートナーシッププログラム(CAPP)のリーダーとして高齢者や障害者の各種施設や病院、小学校などを動物たちと共に訪問するボランティア活動に幅広く活躍されています。
(柴内先生には、東リ「犬家猫館」の製品開発の際にもさまざまなアドバイスをいただいております)