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2008.4.10
フィンランドの自然環境から生まれる家族の愛情 |
ソニー・ナカイ グラフィック・デザイナー |
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建設作業の様子
父のカッレさんは、朝7時から仕事を始めています。息子のキンモさんが職場の仕事を終えて現場へ来るのは、夕方5時半。二人が共同で行なうのは3時間程です。カッレさんは夜8時に終えて、キンモさんはその後、夜中の12時まで続け、翌日は会社へ出勤。週末の2日間と4週間の夏休み期間中は、二人が効率よく仕事のできる大事な時間、朝7時から夜10時まで汗を流しました。夏の夜は明るいので、夜10時でも照明は不要です。キンモさんの家族である妻のティーナさんと二人の男の子も現場で掃除をし、弁当を運ぶ役目を果たして、子供を含めて家族一同の心がひとつに結ばれた期間でした。
息子のキンモさんは1968年生まれで40歳。妻のティーナさんも同い年。長男のティモさんは10歳の小学生、下は3才で幼稚園へ通っています。ティーナさんはもちろん就職していますが、毎日午後4時に幼稚園に迎えに行く時間に遅れたことはありませんでした。 |
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最近の住宅ローン事情
フィンランドの生活の変化は、住宅価格の相場に表れています。2000年以前には、10年間の銀行ローンが普通でしたが、最近の若い世代は、より大きい住宅を求める傾向にあります。さらに近年の生活物価上昇もあり、30年以上の銀行ローンが常識になってきました。これからもDIYで夏の別荘だけでなく、普段の住宅を建てる人はなくならないでしょう。父から子供へと、フィンランドの男のシスが伝えられる限りは。 |
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本当にフィンランド男の根性がありありと伝わるDIYストーリーですね。ここまですごくはないですが、フィンランドの知人には、DIY精神に満ちた男性は豊富です。森で木を伐ることは男にとって当たり前。ストーブやサウナの薪として日常的に使うからです。チェーンソーも必須。また、農業用トラクターを備えている家も多いので、自家用でなくても、それを借りて伐採作業や木材の運搬、除雪まで自分でやる男性もいます。私の隣人は特殊な附属部品を自分で溶接して作っていました。そのトラクターを操縦するとき、彼らはまるで少年の顔に戻ってしまうのです。こうしてフィンランドの男のDNAは脈々と受継がれていくのでしょう。一方、女性もけっこうハード。手仕事だけでなく、肉体労働もその手伝いにも参加して、住宅建設やリフォームに積極的に参加しています。親戚も友人も協力して、家族の絆を感じました。 |
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(せきゆうこ・フィンランドフォーラム・コーディネーター) |
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