フィンランド住宅事情 vol.3 | フィンランドフォーラム

2007.2.22
フィンランド住宅事情 vol.3

ソニー・ナカイ　グラフィック・デザイナー

話題のデザイナーズハウス

また、新発想で建築家の個性が強調された住宅もありました。スパイラルハウスという名前で、室内にも螺旋階段や曲線壁だらけです。カーブする外壁や室内の壁天井などに、木片が葺かれています。日本の寺社の屋根に使われる薄板のこけら葺きを連想しますが、木材の豊富なフィンランドならではの発想です。


（写真11）道路側から見たスパイラルハウスのバルコニー部分。話題性が高くて、賑わっていました。（写真12）15cmx30cmくらいの薄い木片を重ねた外壁で、室内の壁も同じ方法で仕上げられています。


（写真13.14）内部も螺旋のインテリア、幅広い階段自体がリビングになっていて、カラフルなソファがおかれています。


（写真15.16.）2階のリビングからキッチンの空間は薄板の曲線壁で連続しています。


（写真17.18.）エクステリアを楽しむガーデンデザインの例です。

フィンランドの短くも素晴らしい夏休み。人気の住宅フェアへの来客数は、１ヶ月でおよそ１７万人。その大半はインテリアデザインの潮流とアイディアを探索し、我が家のリフォームの参考にもしているそうです。

それにしても、毎年の住宅フェアがそのまま住宅開発地になるとは、驚きました。日本ほどではありませんが、やはり建築デザインの変化がありますから、60年代、80年代というスパンで、いつごろの建設なのか、住宅建築の歴史を学ぶには興味深いものですね。敷地の広さと、森や湖をいかした自然環境も素晴らしい。また、住宅やインテリアのDIYが趣味になっているお国柄なので、夏休みの楽しみの一つになっているようです。日本のモデルハウス会場も、こんな風に運営されたらいいのに、狭い区画で隣り合うと住まいの魅力も半減しそうです。

（せきゆうこ・フィンランドフォーラム・コーディネーター）

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フィンランドと日本の往復書簡を中心に、世界各国に暮らす人々のインテリア事情をレポートしています。