フィンランド住宅事情 vol.1 | フィンランドフォーラム

	2007.02.22 フィンランド住宅事情 vol.1
	ソニー・ナカイ　グラフィック・デザイナー

毎年、夏季休暇にあたる7月から8月にかけて、フィンランド国内の都市を巡回する住宅建築フェアが開催されます。この夏は、エスポー市で住宅フェアが行われました。その様子をレポートしましょう。

エスポー(Espoo) 市はフィンランド湾沿いの風光明媚な土地ながら、ヘルシンキ中心部まで30キロと通勤にも便利ですから、昔から住宅地として成熟した地域です。

住宅メッセは建売宅地開発！

今年の住宅総数は58件で、ヤング層対象のアパートメントから豪邸マンション、身体障害者向け住宅、集合住宅からテラスハウス、戸建て住宅などが紹介されていました。これらの住宅物件は、単なるモデルハウスではなく、実際に販売されて、そのまま住宅地として残ります。つまり一団の宅地開発を行い、住宅もすべて企画建設して販売する際に、大規模な公開見学フェア（入場有料）を開催するという感じです。販売価格は物件により多少の差はありますが、１平方メートルあたり、3000ユーロ前後　（40万円くらい）ですが、これには土地も含まれています。日本の都心郊外で考えるよりは、かなり広い敷地です。住宅１戸の平均的な広さは、約100平方メートルです。うらやましいような気がします。でも、所得税などの税金は日本とは異なります。

インテリアの潮流に変化？

さて、今年のフェアで、気づいたところがあります。まず、今までのフィンランドの住宅では、白い壁をいかした清潔感のある色調でシンプルな印象がインテリアの特徴でしたが、そこに、色、柄、自然素材と自然風景をモチーフにした写真風の壁紙も目立ちました。


（写真01-03）ホワイトオンホワイトの大柄なカーテンとデザインカーペット＆タペストリ、ウォールペインティング


（写真04.05）透明のガラスパーティションは、仕事部屋とＴＶルームの遮音の役割。右は衣装棚のあるドレッシングルーム。

以前はあまり重視されていなかった「ドレッシングルーム」も気になります。大きな鏡と服を置く棚があり、出勤前の服装を整える空間が加わりました。お洒落なビジネスマンを意識しているのでしょうか。

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フィンランドと日本の往復書簡を中心に、世界各国に暮らす人々のインテリア事情をレポートしています。