2005.12.15
今夜は欲望のダブル、それとも情熱の? Ver.1 |
ソニー・ナカイ グラフィック・デザイナー |
|
 |
|
 |
 |
 |
 |
|
 |
日本の皆様、メリークリスマス!
シャンペーンで乾杯しませんか?フィンランドでは12月6日の独立記念日が過ぎて、街はクリスマスデコレーションに変わりました。暗い季節もこれが始まると、うきうきするような気分に変わります。 |
ソニー・ナカイ
(グラフィックデザイナー 在フィンランド) |
|
|
 |
 |
 |
|
 |
今回は、ヘルシンキのデザインホテルをご紹介しましょう。といっても、新しい建物ではなく、1913年に建てられたロマンチックなホテルのリニューアルです。このホテル・クラウスは、ヘルシンキのセンター、ブレヴァルディ通りの先端で、エロッタヤ交差点に近いところにあります。ヘルシンキ駅から南に歩くと、ストックマン・デパート(日本でいえば、高島屋みたいな老舗百貨店)があり、その近くで便利な場所です。同じような時代の建物がつらなる市街地で、外観は独立して見えませんから、古い建物の感じは外観からではわかりません。レストランのガラス窓が大きく強調されているため、メインエントランスも目立った印象ではありません。
しかし、この10月に「デザインホテル」としてリ・オープンしました。業界通によると、すでに世界37カ国で120のデザインホテルが存在し、それぞれの個性を表現しているとか。すると、121番目のデザインホテル・クラウスは、フィンランドの国つくり神話「カレヴァラ」をモチーフにし、神話に登場する言葉や情景、色彩、形象などをモダン・デザインでアレンジしたものだといえるでしょう。ルームは、情熱、欲望、嫉妬と名づけられ、ドラマチックな神話カレヴァラをイメージさせるものです。お読みになった方には、このインテリアの雰囲気をいっそう楽しんでいただけるでしょう。
コンセプトはデザインライフスタイルを強調しています。しかし、伝統的でクラシックなリッツ・カールトン・ホテルの様な堅苦しいお辞儀と洗練されたマナーで迎えられるわけではありません。むしろ、デザイン性の高いインテリアの中で気軽にシャンペーンを飲んでいただけるような、個性的なライフスタイルを楽しむ雰囲気をかもしだしています。 |
|
 |
 |
 |
 |
 |
ホテルロビーのテーマカラーである白に、テーブル上のキャンドルが似合っていました。
純白プラスチックの曲線をいかしたテーブル、椅子、スツールと、直線的な形の白いフェルト生地ソファが洒落ています。 |
 |
 |
 |
 |
 |
椅子もカラーは白で統一されています。卵の形は神話のイメージでいえば、誕生を表現しています。 50年代の曲線デザインと似ているようですが、もっとシャープなラインで、ソファの直線とのコントラストが巧いと思います。
樽型のテーブルにはイッタラ製のキャンドルホルダー。その内側はゴールドに塗られ、火をともせば金色が一段と輝きます。 |
 |
 |
 |
 |
 |
地階のクラブロビーは神話に登場する鍛冶屋”AHJO”と名づけられ、この階段を上るとホテルのロビーに出ます。
カウンターは真っ白いプラスチック素材にガラスの透明感がきいています。曲線だけれど、シャープな印象。 |
 |
 |
 |
 |
 |
ロビーの白い壁にはフィンランドの民族楽器カンテレ(琴)の絵柄。壁の柱に支持された白いハイベンチも浮かんでいるようです。 |
|
 |
|