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インテリアセミナーレポート


◎今回のテーマ

高齢者の視界と色の視認性」
1999年2月10日更新

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前回に引き続き、高齢者にとって居心地良く、職員にとって介護しやすい環境づくりのために、東リが「高齢者福祉施設向け内装材カタログ」でご紹介した情報の抜粋を掲載させていただきます。


◎色の視認性

高齢者福祉施設では、誘導や注意喚起を目的とした床材のサイン表示が不可欠です。加齢によって視覚機能の衰えた高齢者でも、また、夜間など照度が充分でない場合でも、はっきりとサインが見えるように色の選択や配色に考慮する必要があります。
一般的に最も色の違いを認識しやすいのは、色の三属性(色相・明度・彩度)のうちの、明度による差です。特に高齢者の場合、色相や彩度の識別力が低下するので、明度が近くなると色の違いを識別しにくくなります。効果的なサイン計画には、明度差の大きい配色が求められます。
また、視界黄変化によって、視界が黄みを帯び、青紫や青系の色が見えにくくなります。特に、白と黄色、青とグレーなどの組み合わせは、判別しにくいので避けた方がよいでしょう。
床材と巾木や壁や什器、壁紙とドアや什器との関係にも、視認性の考慮が必要です。夜間の低い照度や、視覚機能の衰えた高齢者にとって、壁面と床面の見分けがつかないことは、不安感を与え、誤って壁面に衝突する可能性があります。床のボーダーや巾木の存在によって、境界をはっきりさせる効果が望まれます。

☆高齢者福祉施設で使用する床材の配色のポイント。

●誘導および注意喚起のためには、広い面積では特に色による示唆が効果的である。
●明度差に考慮した配色計画を行う。
●短波長域の青紫から青までの色は判別しにくい。
●色相としては、赤、橙、黄、緑などの色相が、水晶体の黄変化後も認識しやすい。
●白と黄、青とグレー、青と緑などの組み合わせは判別しにくい。
●彩度を充分に考慮しつつ、補色をうまく使用する。

◎視界黄変化とその影響

加齢による老人性白内障が進行すると、眼球の水晶体(レンズ)が白濁し、内部に黄色や黄橙色の色素がたまり、網膜への波長透過率が低くなります。その結果、短波長域の青紫、場合によっては青の領域までが見えにくくなります。また、全体が、黄土色や黄橙色のすりガラスをフィルターにして見たようになり、黄色がかった色は特に見えにくくなり、黄色と他の色、特に白色などとの差を判別しにくくなります。この老人性白内障は、50歳代では約60%、85歳以上では100%の人が疾患するというデータがあります。このように福祉施設でサイン表示などのために色を使用する場合、色やその組み合わせによっては識別しにくいものがあり、注意を要します。

■水晶体の透過率



出典:「高齢者のための建築環境」日本建築学会編(彰国社)

■高齢者の視界


成人の視界


視力低下した視界


黄変化した視界


視力低下・黄変化した視界

視界黄変化による見え方の比較


正常な視界


黄変化した視界

黄変化によって青は見えにくくなるが、赤やなどの色相は黄変化後も認識しやすい。

※文章・表・図・写真の無断掲載を禁じます。

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