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北欧のクリスマス情報

エストニアの首都タリンの魅力

2016.12.22 / ソニー・ナカイ(グラフィックデザイナー、在フィンランド)

テーマパークの様なヨーロッパの古都タリン

以前にもエストニアの首都タリンからバスに乗って南へ行き、リガ(ラトビア)を通り、ヴィルニウスまで旅をして、素朴なバルト諸国の田舎景色を満喫しました!中でもエストニアは北欧のスェーデン、フィンランドとは、バルト海を隔て80kmの隣国で、ヨーロッパとロシアの間で長年強い圧力を受け続けてきたバルト三国(ラトヴィア、リトアニア、エストニア)の東端にあり、ロシアのサンクトペテルブルクの西に位置しています。近代化した首都タリンは、ヨーロッパのシリコン・バレーとも呼ばれて、世界中で無料電話を実現したスカイプ(SKYPE)はタリンで生まれました。サイバーセキュリティ技術に関してもNATOに技術を提供しているそうです。

タリン旧市街の歴史は1248年に始まり、13世紀から1918年まで他国の占領下にあり、1941年から1944年までは、ナチス・ドイツが支配していました。各宗派の教会建築が多いのは、それぞれの時代の支配国家の宗教に起因するものです。約1km四方の旧市街を歩けば、中世の暮らしと文化がダイレクトに伝わってきます。特に石造建築の素晴らしさ、とりわけそのインテリアの魅力は最高です。他のヨーロッパ諸国の古都と比べても、個性的でロマンチックでもあり、ヨーロッパでもっとも手厚く保護されてきた街並みといえるでしょう。ユネスコの世界遺産に登録されています。フィンランドの古都トゥルクと共に、タリンも2011年の世界文化首都に選ばれました。

フィンランドからはフェリーで2時間と簡単に旅行できますので、気軽な観光地として、なんと毎年800万人くらいがこの魅力を味わうために押しかけています。まさに、北欧の人気観光スポットになっています。

石造建築が残っているだけでなく、活用されています。古楽器を奏でる人々も昔風の衣装です!

石造建築が残っているだけでなく、活用されています。古楽器を奏でる人々も昔風の衣装です!

この町の魅力は中世期に建てられた石造建築の住宅が立ち並び、ヨーロッパの中世にタイムスリップする幻想世界と出会えること。レストランはいつも賑わい、キャンドルの光とワインで楽しい時間はゆっくりと過ぎていきます。ウェイトレスは中世の衣装でおもてなし。街路では道沿いに骨董品などが置かれています。楽士たちも中世の古楽器を使います。昔風の典雅な音色が広がり、現実世界は遠くに消えてしまうような幻想的な演出でした。

ショップとレストランのインテリア。お客さんだけ普通の格好です。

ショップとレストランのインテリア。お客さんだけ普通の格好です。

レストランのメニューも中世風。珍しい野生動物の肉料理は猪、ウサギ、トナカイなど色々。

レストランのメニューも中世風。珍しい野生動物の肉料理は猪、ウサギ、トナカイなど色々。

道を訪ねると親切に中世風の仕草で方向を教えてくれました。11月から始まるクリスマス・ショッピングシーズンには、教会前広場にテントショップが立ち並びます。中世がいっぱいの古都タリンですね。

道を訪ねると親切に中世風の仕草で方向を教えてくれました。11月から始まるクリスマス・ショッピングシーズンには、教会前広場にテントショップが立ち並びます。中世がいっぱいの古都タリンですね。

コメント

私もタリンには2回ほど行きました。ヘルシンキの港から大型フェリーでタリン港に到着しても、港の廻りは普通のヨーロッパの町ですが、旧市街に一歩入ると、歴史的な街並に一変します。スウェーデンのストックホルムにも中世の街並「ガムラスタン」が観光地として人気があるし、バルセロナバロック地区も街なみが残されています。石造建築の多いヨーロッパの旧市街は、石で舗装された細街路が迷路のように曲がりくねって、近代的な開発よりも保存することで価値を高めてきたと思います。

タリンも旧市街の中心にあたる城壁の一部がマーケットやカフェ、クラフトショップです。特に伝統的な編み込み模様のニットセーターや手作りの鋳鉄製品など、手作りのクオリティーは高いと思いました。ブランドファッションやデザイン家具のお洒落なショールームも、古い伝統的な建物の中できらりと光っていました。

これは20年近く前のことですが、今でも素敵な街並みが残っているのですね。お洒落なハンドメイドの帽子屋さんがありました。もう一度行ってみたい町の一つです。

(せきゆうこ・フィンランドフォーラム・コーディネーター)