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緑と自然に囲まれて、毎日の贅沢を!

住宅フェア2015情報

2016.01.21 / ソニー・ナカイ(グラフィックデザイナー、在フィンランド)

しばらくご無沙汰している間に、フィンランドはクリスマスから冬景色に変わってきました。今年の夏は、フィンランドからイタリアまで多くの見本市やデザインフェアに足を運びました。たくさんの写真と思い出が溜まっています。ちょっと整理しながら、恒例のフィンランド住宅フェアをご紹介しましょう。

住宅フェア2015

今年の住宅フェアは、ヘルシンキの北隣ヴァンター市で開催されました。フィンエアーをご利用の皆様には【VANTAA国際空港】でよく知られています。空港まではヘルシンキから北へ約20km、シャトルバスで20分程度と便利なところ。フェアの会場は空港の西側にあり、自然に囲まれた環境に、およそ60軒の新築住宅が建ち並びました。冬になってから、夏のリポートとなりましたが、是非お読みください。

住宅フェアの敷地は、毎年、森と湖に面した環境を選びます。今年は森に隣接していますが、湖は少し離れています。

住宅フェアの敷地は、毎年、森と湖に面した環境を選びます。今年は森に隣接していますが、湖は少し離れています。

エコロジカルな発想が進化

新しいゴミ処理システムです。右の写真はコミカルな顔つきの分別ゴミ箱で、ここにゴミを投入すると、地下に集積されて、満杯になると自動的に回収サイクルに送られます。ほぼ無臭の衛生的な居住環境ということです。

新しいゴミ処理システムです。右の写真はコミカルな顔つきの分別ゴミ箱で、ここにゴミを投入すると、地下に集積されて、満杯になると自動的に回収サイクルに送られます。ほぼ無臭の衛生的な居住環境ということです。

  1. ゴミを分別して、ゴミ箱へ捨てる。(分別数と種類はそれぞれに決められています)
    従来型ゴミ箱は、高さ1.2m、幅1.7m、奥行1.2mもありますが、このスマートな新型ゴミ箱はスペース節約型。従来はゴミ回収が遅れると、容器からはみ出したゴミを鳥が散らかすという問題が多かったのですが、これで解消されます。
  2. 投入されたゴミは地下の回収スペースに集約され、満杯になると自動的に次のシステムへ。
  3. 地中のパイプ配管を通過しながら圧縮されて、風圧で中間回収場へ運ばれます。
  4. 回収されたゴミは、圧縮機で固められて、容器に詰められ、トラックで最終処理場へ。
フィンランドの住宅の外壁断面実物大模型です。厚い外壁は断熱性能も高いものです。1層:モルタル石膏層 2層:補強ネット層 3層:モルタル石膏層 4層:断熱層一番外側(5層)にコーティングされた外壁ウッドパネル。システム化されたパネル工法が主流です。

フィンランドの住宅の外壁断面実物大模型です。厚い外壁は断熱性能も高いものです。
1層:モルタル石膏層 2層:補強ネット層 3層:モルタル石膏層 4層:断熱層
一番外側(5層)にコーティングされた外壁ウッドパネル。システム化されたパネル工法が主流です。

住宅フェア会場に入ると、目の前に大きな建物がそびえたっていました。かなり派手な外観でマンションには見えません。実は40世帯の住人専用の駐車場ビルです。

住宅フェア会場に入ると、目の前に大きな建物がそびえたっていました。かなり派手な外観でマンションには見えません。実は40世帯の住人専用の駐車場ビルです。

フィンランドも都心部以外は自家用車通勤が主流です。住宅地の近辺には小さくともマーケットがあり、市街地の大型スーパーではディスカウントセールがありますので、多くの人達は車で買い物に行きます。もちろん住宅地内の道路から自宅敷地内に駐車して、荷物の移動を行うのは支障ありません。最近は集合駐車場を設けて、車自体を生活環境から隔離する設計が広まってきました。

駐車場ビルのメリットはマイナス気温になる真冬の朝に実感できます。フィンランドでは快適にエンジンを始動させるために、車のラジエーターを予熱していますが、それでも暖機運転が必要。屋外駐車の場合は霜で凍りつく窓ガラスの霜取りが一仕事です。走り出してからも、フロントガラスの霜が完全に消えるまで、視界が遮られて危険です。そこで、自宅敷地内の排気ガスを抑えると同時に、快適に出勤できるように、最近は自宅に車庫を作らず、集合駐車場を見かけるようになりました。

屋外駐車場の賃貸料は、その電気料金程度で千円/月程度です。一方、暖房設備のあるビル駐車場は7千円くらい。日本とは比較できませんが、7倍の差は大きいと思います。しかも電子キーシステムの万全なセキュリティーも完備されています。