TOLI ONLINE
IR情報 生活者向けサイトへ
東リが取り扱う製品の検索システムや技術資料など、ビジネスユーザーのための情報をご提供します

床材・接着剤 カーペット ラグ&マット 壁紙 カーテン キャラクター 会員登録・変更 カタログ請求
  ニュースリリース | 東リ環境宣言 | インテリア情報 | ショールーム | 営業所一覧 | お問合わせ
住まいづくりのライブラリー
 
「MAINTE vol.7」(1993年4月10日発行)より


「住まいと採光」

日本家屋の発達の歴史

 

●産業の発達と民家の変遷

 安土桃山時代までの民家は、地域や職業による家の構造の違いはほとんどなく、せいぜい屋根が切妻か寄棟造の違いになっている程度でした。しかし、江戸時代に入り、各地で次第に地方色のある産業が発達し始めると、民家にも大きな変化が生じます。

 その中でも特に養蚕の与えた影響は大きく、養蚕の飼育が行われた屋根裏は何層もの構造になっており、蚕の発育に快適な採光や換気の工夫が図られるようになりました。また、明るさだけでなく、採暖も配慮され、二階部分の床をわざと簡易にして、下階からの熱気が伝わるように工夫したり、大きな屋根に採光窓の工夫をした農家が生まれました。例えば、甲州のように棟を突き上げて窓を造った形式のものや、飛騨の合掌造りなどは養蚕産業の産物です。

 また、日本の民家の多くは、もともと棟は真直でしたが、裏日本の深雪地帯では、出入り口から屋内への寒気や雪の流入を防ぐための緩衝空間が発達しました。主棟に別の棟や通り土間が直角に突き出した形で発達しました。例えば、「南部駒」という良馬の産地として知られる南部藩(現在の岩手県)では寒冷地での馬の飼育を容易にするために、厩が次第に母屋に近づき、やがて鍵型に一体となった“曲り家”が生み出されています。
 この他、農家で農作業をするための広い土間を設けていたこと、商家などでは、外からの視線を遮りながらも採光が望めるように格子窓が発達したことなど、産業が家の構造に影響を与えたことが伺えます。


合掌造り



曲り家

  

●気候風土によって生まれた民家の特徴

 日本の気候は、比較的温暖な方に属しているとはいうものの、南北に長い日本列島の気候は広範囲に渡るので、民家にもそれぞれの気候風土に合った特徴が生まれました。
 表日本の太平洋側に位置した民家の多くは、屋根を茅で葺き、入り口は平入り、床下は通風をよくし、各部屋の周囲は障子戸と雨戸を建てまわしした開放的な造りになっています。民家の構成も、田の字型のものや棟を真っ直ぐにした直家(すごや)または一本屋と呼ばれるようなものが多く建てられました。特に暑さが厳しい地域は、床を高くしたり、西向きには窓を設けないなどの工夫がされました。

 一方、豪雪地帯の日本海側では、積雪時に家への出入りを容易にするため、出入り口上に、小さな庇や張り出し部分を設けていました。また、冬季は雪のために日中も雨戸は閉めたままになってしまいます。これでは、屋内が暗くなるので、板戸の上部を障子にして採光しているものが多く、地方によって様々な形が造られています。例えば、秋田県などで見られる煤窓(すすまど)もそのひとつで、この場合、煙は曲がり部の厩の上を通って外に流れるため、煙が保温の役目をし、同居する馬を少しでも暖かくするための配慮でもありました。

 また、この他、風雨の影響が強い地域では、例えば沖縄のように家の外側に石を高く積み上げたり、信州の諏訪地方に見られたように屋根の妻側だけでなく、平側も軒先から堅羽目板で家を包むように覆ったもの、屋敷林を設けた地域、屋根に石を載せた地域など、それぞれの地域ごとに気候に対する工夫がなされました。

 

●太陽の光に恵まれた日本の気候ゆえの住まい造り

 このように、日本の家屋の成り立ちには、採光よりもむしろ除湿や保温といった要素の方が、大きく影響を与えたようです。これはひとつに、日本が太陽に恵まれた国だからではないでしょうか。例えば、北海道の北見でさえモスクワの3倍以上もの日射量があります。日本人の意識の中には、日光は水と同様、あって当たり前として受け入れられ、採光よりまず考えられなければならなかったのは、いかにして湿気や寒気を防ぐかということだったのです。そのため、採光を意識した窓の設計よりも、例えば、輻射熱による弊害を防ぐために軒の深い屋根や、すだれが発達しました。また、密閉性を高めるためにアルミ製のサッシが考案されるなど、気象条件による温度や湿気を克服する住まい造りに重点が置かれたのです。

 これから、人が本当に快適に暮らすことができる住まい造りを目指すには、採光をもう一度見直す必要があるのではないでしょうか。都市の過密化、建物の高層化によってますます陽差しが遮られ、日照時間や日の当たる方向が限られてくるでしょう。室内を単に明るくするという観点だけでなく、自然との一体化、つまり健康で快適な住まいの根本を正すという視点から、もう一度、人の生活と太陽、採光の在り方を検討すべきではないでしょうか。


※この記事および写真・図表の無断掲載・転載を禁止します。

 

製品のお求めはこちらの販売店 製品のお問合わせはこちら

東リの製品情報はこちら >> 床材・接着剤 >> カーペット >> ラグ&マット >> 壁紙 >> カーテン >> キャラクター
会員登録・変更 カタログ請求 営業所一覧 よくある質問(Q&A)

会社情報 | 採用情報 | 広告CMライブラリー | リンク集 | サイトマップ | プライバシーポリシー | ご利用規約
特別な表記のあるもの以外は全て表示価格は消費税を含みません。
東リ株式会社 Copyright TOLI.co,.ltd.