高校卒業後の進学先は、以前は、4年生総合大学(ユニバーシティ)、2年生職業学校(カレッジ)、または就職という選択肢でした。近年は職業大学(カレッジ)も4年生の職業大学に再編されて、実社会で通用する職業に集中する教育を実践しています。デザイン系の大学の場合、卒業後の就職はかなり難しい状態です。フィンランドにはデザイン専門の企業は少ないし、通常はフリーランス契約ですから、企業内デザイナーとしての安定的な就職はほとんどありません。
大学や就職にあたり、高校卒業試験成績が大きく影響します。卒業後、18歳から30歳までの間に8ヶ月から12ヶ月にわたる義務徴兵制度がありますが、これも教育の一部と見られていて、その成績もその後の人生の選択に影響を及ぼしていきます。
このような重要な国家試験にパスすると名誉ある帽子が授与されます。日本の学生帽に似た形で、日本を思い出させます。町の写真屋さんのショーウィンドウにこの帽子をかぶった高校生のポートレートが飾られています。日本の成人式に通じる出来事なのでしょう。春の訪れを祝う5月1日は【VAPPU(ヴァップ)】の日で、この帽子をかぶるのがしきたりです。日本の花見の様にゴザを敷いて、暖かくなってきた太陽の陽射しの中で、お酒を楽しみます。
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