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ミラノ万博2015情報

Feeding The Planet, Energy For Life.

2015.10.01 / ソニー・ナカイ(グラフィックデザイナー、在フィンランド)

前回のフィンランドフォーラム「ポルヴォーのアンティークハウスで日本食を!」で紹介した、ミラノ万博リポートを続けましょう。10月末の閉幕まであと少しです。

そもそも「巨大パビリオン建築」は万博特有のものですが、広いスペースを生かして、各国の文化を表現しています。一例ですが、イタリアパビリオンでは、高さが4階建てビルくらい、幅60mもある長大なスクリーンがあり、シャープでクリアな映像が印象的でした。また、日本やヨーロッパ諸国のパビリオンでは、自然環境との融和を意図した木の建造物が多く見られました。

アジア三国三様のパビリオン

日本パビリオンの出口には全国の酒樽とその奥には盆栽。

日本パビリオンの出口には全国の酒樽とその奥には盆栽。

メインストリートに面して、木格子を積み上げた独特のファサード。世界共通の人気者キティが着物姿で歓迎。

メインストリートに面して、木格子を積み上げた独特のファサード。世界共通の人気者キティが着物姿で歓迎。

日本の四季の風景描写は、蓮の葉が水面に浮かぶイメージです。そのスクリーン面に、四季の画像が反映されるアイデアには感動! 枝葉の自然な動き、その間を歩くことができ、現実の自然環境が幻想世界に入り込んでしまい、葉の間を歩くと細い枝の感触が伝わり、感激も盛り上がってきました。葉っぱのスクリーンは、細い枝についていて、その間を自由に歩くことができます。田舎のあぜ道を歩くような幻想の世界へ導かれました。

日本の四季の風景描写は、蓮の葉が水面に浮かぶイメージです。そのスクリーン面に、四季の画像が反映されるアイデアには感動! 枝葉の自然な動き、その間を歩くことができ、現実の自然環境が幻想世界に入り込んでしまい、葉の間を歩くと細い枝の感触が伝わり、感激も盛り上がってきました。葉っぱのスクリーンは、細い枝についていて、その間を自由に歩くことができます。田舎のあぜ道を歩くような幻想の世界へ導かれました。

さらに感動は続きます。白い壁と床のスペースに、黒くて長いテーブルと椅子が遠近法的に配置してあります。テーブルには小物が何気なく置いてある。一目見ると、長テーブルが普通に遠近法で見えるが、何かがおかしい。テーブルの奥へ進むと、なんと椅子の背が高くなり、その背の高い椅子に座ると、人が小さく見える。けれど、誰かが座らないと分からない。このトリックに完全に驚かされました。側面から注意深く見ると、椅子の高さは均等なのに、背の高さと脚の長さが違っているのに気がつきました。このトリックを見過ごして通過する人も多くいるのでは? 注意して調べなければ理解できない不思議なテーブルセッティングです。

さらに感動は続きます。白い壁と床のスペースに、黒くて長いテーブルと椅子が遠近法的に配置してあります。テーブルには小物が何気なく置いてある。一目見ると、長テーブルが普通に遠近法で見えるが、何かがおかしい。テーブルの奥へ進むと、なんと椅子の背が高くなり、その背の高い椅子に座ると、人が小さく見える。けれど、誰かが座らないと分からない。このトリックに完全に驚かされました。側面から注意深く見ると、椅子の高さは均等なのに、背の高さと脚の長さが違っているのに気がつきました。このトリックを見過ごして通過する人も多くいるのでは? 注意して調べなければ理解できない不思議なテーブルセッティングです。

ミラノ万博では、3つのパビリオンを構えた中国パワーを感じました。メインパビリオンでは、高さが60cm直径5cmほどの電光管が広いフロアに組み込まれ、遠隔操作で音と光が動き回るアート作品を、上階ギャラリーから俯瞰します。

ミラノ万博では、3つのパビリオンを構えた中国パワーを感じました。メインパビリオンでは、高さが60cm直径5cmほどの電光管が広いフロアに組み込まれ、遠隔操作で音と光が動き回るアート作品を、上階ギャラリーから俯瞰します。

一方、食のテーマに沿い、厨房で働く料理人の様子が素焼きの粘土人形で並んでいました。その素朴な表情に感動。

一方、食のテーマに沿い、厨房で働く料理人の様子が素焼きの粘土人形で並んでいました。その素朴な表情に感動。

波状カーブの壁に沿って、長い文章が書かれている。その文字の一部は壁際に落ちている。その先に、水墨画風の枯れ木のようなものが見えてくる。その枝の下で、ゆっくりと動く画像が見える。そばに寄ってみると、痩せた子どもが地面から何かを拾って口にしている。そして、ゆっくりと顔を上げ、観客に視線を向ける。この視線が芸術感に溢れていました。

波状カーブの壁に沿って、長い文章が書かれている。その文字の一部は壁際に落ちている。その先に、水墨画風の枯れ木のようなものが見えてくる。その枝の下で、ゆっくりと動く画像が見える。そばに寄ってみると、痩せた子どもが地面から何かを拾って口にしている。そして、ゆっくりと顔を上げ、観客に視線を向ける。この視線が芸術感に溢れていました。

それぞれのテーマに沿って各国の食文化を紹介し、展示ルートの最終ポイントはレストランで締めくくります。どのパビリオンにも、個性的な食べ物が綺麗に並んでいますので、食べ過ぎに注意しなければなりません。食品販売も含めて、コマーシャル性が強く表れていました。日本パビリオンも「日本食」を強調し、その表現手法は斬新なアイデアに富み、参加50か国中でもトップレベルの素晴らしい展示館でした。韓国パビリオンは白黒の調和で「落ち着き」を強調し、インテリアも白と黒、余分なもののないミニマルデザインでした。