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海外情報 フィンランドフォーラム

ゆとりの生活環境と最新の住宅フェアリポート

湖に囲まれるユヴァスキュラ住宅フェア

2014.10.16 / ソニー・ナカイ(グラフィックデザイナー)

フィンランドのマナーハウスで宿泊を

さて、夏の話題をもうひとつ、お届けします。

日本には世界で一番変化に富んだ宿泊施設がありますね。一般的なホテル以外に、簡易なカプセル式から和風旅館、ビジネスホテル、ラヴホテル、宿泊可能なサウナに民宿や寺院の宿坊など。その全部に、海外の観光客は深い好奇心を抱いていると思います。その反対に、日本ではあまり経験できないような、フィンランドらしい宿泊施設である「マナーハウス」をご紹介しましょう。

シティホテル、ベッド&ブレックファスト、ユースホステルは世界中にありますが、フィンランドのマナーハウスは、田舎の元地主の屋敷をリフォームした滞在型ホテルです。ヘルシンキから20kmにあるトゥースラ湖畔にあるホテル「クラッピ」は、元地主の木造邸宅をリフォームしました。邸宅の中心はレトロ感一杯のレストランに変わり、昔の牛小屋は、細やかなデザインを施してプチホテルに変貌して、人気を呼んでいます。広大な農場に囲まれたマナーハウスに滞在すると、ゆったりしたローカル気分を十分に楽しめます。どこの都市にでもある一般的なホテルに滞在するより、フィンランドの自然と過ごす宿泊施設をお勧めいたします。

また、マナーハウスは宴会場としても大切に使われています。今回の取材は、ヘルシンキから50キロ東にある古都ポルヴォー市の中心から、さらに5キロ離れた海岸沿いに立地する「ホテル・ハイッコ」です。

噴水のある庭の端から、白亜のメインハウスを眺めます。玄関前には白馬の様なロールスロイス。VIPゲスト滞在かと思いましたが、実はホテルの演出。でも、ロシアや中国の富裕層の滞在客が増えているということで、意識しているのでしょうか。

噴水のある庭の端から、白亜のメインハウスを眺めます。
玄関前には白馬の様なロールスロイス。VIPゲスト滞在かと思いましたが、実はホテルの演出。でも、ロシアや中国の富裕層の滞在客が増えているということで、意識しているのでしょうか。

「ホテル・ハイッコ」のインテリア

壁には昔の絵画が掛けられ、アンティーク家具に囲まれて、上流階級であった地主一家の暮らしぶりを再現しています。2階への階段には、VIPゲストを迎える深紅のカーペットが敷かれています。

壁には昔の絵画が掛けられ、アンティーク家具に囲まれて、上流階級であった地主一家の暮らしぶりを再現しています。
2階への階段には、VIPゲストを迎える深紅のカーペットが敷かれています。

背の高い窓に囲まれたメインレストラン、天井には頑丈な格子組。写真右の小さなレストランにも、昔と同じように吊ランプの照明器具に赤いカーテンが華やかです。

背の高い窓に囲まれたメインレストラン、天井には頑丈な格子組。
写真右の小さなレストランにも、昔と同じように吊ランプの照明器具に赤いカーテンが華やかです。

プール、サウナ、水風呂、温泉、滝、ジャグジーなどのスパ設備が揃っています。日本の風呂をイメージする左下のスパは「喜び」と名付けられています。確かに、ヒノキの香りが漂い、それで日本を思い出しました。水温は38度と低めです。右下の水風呂は12度と、だれでも入りやすい水温でした。一般的にフィンランドの公共施設の水温は、寒中水泳並みの平均6度です。これで入ることできれば、零下10度の時でも、水温は0度くらいなので、湖表面に氷が張っていても、開口部から飛び込むことができます。まずは、水温6度で練習してください。

プール、サウナ、水風呂、温泉、滝、ジャグジーなどのスパ設備が揃っています。
日本の風呂をイメージする左下のスパは「喜び」と名付けられています。確かに、ヒノキの香りが漂い、それで日本を思い出しました。水温は38度と低めです。
右下の水風呂は12度と、だれでも入りやすい水温でした。一般的にフィンランドの公共施設の水温は、寒中水泳並みの平均6度です。これで入ることできれば、零下10度の時でも、水温は0度くらいなので、湖表面に氷が張っていても、開口部から飛び込むことができます。まずは、水温6度で練習してください。

地主が所有した農場はかなり広くて、庭園から海岸方向へ散歩すると、途中にサマーハウス風のトイレ小屋があり、テニスとバレーボールのコートもあります。あずまやでお茶を飲みながらゆっくりと景色を楽しみ、庭の端まで歩くと、森に連なります。海岸沿いの予約制サウナハウスで、ジャグジーバスがありました。海辺の静けさを白樺の森から眺め、薪とBBQ台でソーセージが焼けるのを待ちながら、夏の夜景を楽しみましょう。

地主が所有した農場はかなり広くて、庭園から海岸方向へ散歩すると、途中にサマーハウス風のトイレ小屋があり、テニスとバレーボールのコートもあります。
あずまやでお茶を飲みながらゆっくりと景色を楽しみ、庭の端まで歩くと、森に連なります。
海岸沿いの予約制サウナハウスで、ジャグジーバスがありました。
海辺の静けさを白樺の森から眺め、薪とBBQ台でソーセージが焼けるのを待ちながら、夏の夜景を楽しみましょう。

海辺の森の散歩道。

海辺の森の散歩道。

あたりには日光浴の女性がひとりだけ。最高の天気だったこの日でも、混雑なくゆっくりと自分の時間を楽しむことができました。スペース大国フィンランドです。海岸の向こう側には、湖畔に建つサマーハウスが点在して、夏の雰囲気一杯でした。北欧の海はとても塩分が少ないのですが、淡水に育つ葦も生育して、海水を浄化してくれています。

あたりには日光浴の女性がひとりだけ。最高の天気だったこの日でも、混雑なくゆっくりと自分の時間を楽しむことができました。スペース大国フィンランドです。
海岸の向こう側には、湖畔に建つサマーハウスが点在して、夏の雰囲気一杯でした。北欧の海はとても塩分が少ないのですが、淡水に育つ葦も生育して、海水を浄化してくれています。

海岸沿いの森の中に、白い建物がありました。大きな邸宅で貸し切りのパーティに対応する設備がそろっていました。森の中には大きなキノコ。秋の気配も近くまで来ています。

海岸沿いの森の中に、白い建物がありました。大きな邸宅で貸し切りのパーティに対応する設備がそろっていました。
森の中には大きなキノコ。秋の気配も近くまで来ています。

そういえば、以前、日本の美智子妃殿下がヘルシンキを訪問された時に、海辺に葦が広々と育っていたのをご覧になり、「フィンランド付近の海水には塩分が少ないのですね」と、大使に問われたそうです。大使は、妃殿下の自然科学に対する造詣の深さに驚かされていました。
さて、電気、水道のない湖畔の夏の家、海岸リゾート地ハンコで過ごした、昔そのままのスパホテルの居心地のよさなども、機会を見てお伝えしましょう。ご期待ください。

コメント

夏の名残を感じるリポートをありがとうございます。今夏の日本は、各地で台風と大雨の被害が続きました。比較的涼しい夏が終わり、もう、秋の気配です。丁度フィンランドの8月の気候ですが、日暮れが早まってきました。お元気で。

(せきゆうこ・フィンランドフォーラム・コーディネーター)