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海外情報 フィンランドフォーラム

お隣同士の微妙な関係

北欧三国のデザイン個性

2013.06.27 / ソニー・ナカイ(グラフィックデザイナー)

ストックホルム・デザインフェア 2013

そんなことを思いながらも、ストックホルムのデザインフェアにご一緒しましょう。
ヘルシンキからストックホルムまでのバルト海横断の旅は、シリヤラインとバイキングラインというフェリー会社の豪華船が、ほぼ同時刻の夕方5時に出航しています。今回はバイキングラインを利用しました。

バイキングラインのバイキング式ディナーは、あり余るほどの高級食材で飾られています。
オードブルは魚やハムなどの肉類とサラダに、魚介類はムール貝、小エビに本場のスライスサーモン。
前菜だけでおなか一杯になってしまいます。

バイキングラインのバイキング式ディナーは、あり余るほどの高級食材で飾られています。
オードブルは魚やハムなどの肉類とサラダに、魚介類はムール貝、小エビに本場のスライスサーモン。 前菜だけでおなか一杯になってしまいます。

フェリーの甲板から見たストックホルム沖合のアーキペラゴ(多島海)は、氷塊に覆われていました。

フェリーの甲板から見たストックホルム沖合のアーキペラゴ(多島海)は、氷塊に覆われていました。

フェア会場へ

ストックホルムから電車で15分の駅に降り立ち、徒歩3分ほどでフェアの会場に着きました。一歩入ると、ロビー全体に、噴水をイメージするデザインの作品が飾られていました。人出も多くて、賑やかな雰囲気です。
スウェーデンのヨーテボリと東京のデザイン大学が共同で行うワークショップの打ち合わせのために、ヨーテボリ・デザイン大学が参加しているインターナショナル大学のエリアに足を進めました。ここには、エストニア、ラトヴィア、中国、そして北欧からはデンマーク、ノルウェー、フィンランド、スウェーデンのデザイン系大学が参加しています。
その中に、スウェーデンの大学を卒業した3人の日本人が、独立して自分のブースで作品展示をしていました。

会場に入ると、噴水を連想させる作品がロビー全体を飾り、その新鮮な印象から期待感が高まりました。

会場に入ると、噴水を連想させる作品がロビー全体を飾り、その新鮮な印象から期待感が高まりました。

まず、ヨーテボリ大学のブースに展示されていた学生の作品です。

左はモジュールシステムの棚、中央は高さを移動できる回転トレイ棚です。
右は、乾燥した葦を束ねて金属フレームで圧縮したベンチと椅子。座るとちくちくしないのでしょうか?

左はモジュールシステムの棚、中央は高さを移動できる回転トレイ棚です。
右は、乾燥した葦を束ねて金属フレームで圧縮したベンチと椅子。座るとちくちくしないのでしょうか?

(写真左) ヨーテボリ大学の木工デザイン科教授のマッツ・アルダー氏が座っているのは、彼自身のデザインで市販されているベンチと椅子です。公共スペースのファニチャとして、人気が高いと聞いています。
(写真右) 樹皮を残して『自然』を表すのが意図でしょうが、大量生産できないのが難点。
オブジェであればよいのですが、日常のプロダクトとして製品化できないのは、やはりマイナスといえます。

(写真左)ヨーテボリ大学の木工デザイン科教授のマッツ・アルダー氏が座っているのは、彼自身のデザインで市販されているベンチと椅子です。公共スペースのファニチャーとして、人気が高いと聞いています。
(写真右)樹皮を残して『自然』を表すのが意図でしょうが、大量生産できないのが難点。オブジェであればよいのですが、日常のプロダクトとして製品化できないのは、やはりマイナスといえます。

(写真左) 自然のままの丸太を並べたベンチです。大都会で人気になるかもしれませんね。それともオブジェ?
(写真右) エストニアの首都にあるタリン大学の出展作は椅子に集中していました。

(写真左)自然のままの丸太を並べたベンチです。大都会で人気になるかもしれませんね。それともオブジェ?
(写真右)エストニアの首都にあるタリン大学の出展作は椅子に集中していました。

(写真左) 白と黒のシンプルチェアの枝のような背に、バッグやジャケットを掛けることができそうです。
(写真右) フィンランドのアールト大学インテリア学科の展示も椅子に特化して、斬新なデザインもありました。

(写真左)白と黒のシンプルチェアの枝のような背に、バッグやジャケットを掛けることができそうです。
(写真右)フィンランドのアールト大学インテリア学科の展示も椅子に特化して、斬新なデザインもありました。

これはノルウェーデザイン大学ブースの作品です。

これはノルウェーデザイン大学ブースの作品です。

マットレスを座面に置いた椅子。二重折にして、さらに座り心地の良いクッションになるでしょうか?
緑色のマットは日本の着物の袖口を連想する椅子カバーです。

マットレスを座面に置いた椅子。二重折にして、さらに座り心地の良いクッションになるでしょうか?
緑色のマットは日本の着物の袖口を連想する椅子カバーです。

(写真左)薄い木片を流れるように組み合わせたテーブルで、木片の隙間は何もありません。
(写真右)金具不要で壁に立て掛ける構造のスタンドシェルフは、簡単に移動できます。 

(写真左)薄い木片を流れるように組み合わせたテーブルで、木片の隙間は何もありません。
(写真右)金具不要で壁に立て掛ける構造のスタンドシェルフは、簡単に移動できます。

(写真左)テーブルについての斬新な考え方を見ました。(写真右)建築大学の学生の椅子は興味深い形ですが、座り心地は試してみませんでした。

(写真左)テーブルについての斬新な考え方を見ました。
(写真右)建築大学の学生の椅子は興味深い形ですが、座り心地は試してみませんでした。

日本人デザイナーのブース

大学を卒業した、新人デザイナーのコーナーがあり、日本からも多く参加していました。ヘルシンキと同様、ストックホルムでも日本人デザイナーのパワーを感じました。

大学を卒業した、新人デザイナーのコーナーがあり、日本からも多く参加していました。
ヘルシンキと同様、ストックホルムでも日本人デザイナーのパワーを感じました。

市販されているデザイン作品

フィンランドのデザイナーのブースです。人気のあるランプデザインのシリーズで、リンゴの皮をくるくると剥いた形を連想する新作を見かけました。動きを感じます。

フィンランドのデザイナーのブースです。人気のあるランプデザインのシリーズで、リンゴの皮をくるくると剥いた形を連想する新作を見かけました。動きを感じます。